国宝を超える感動! ぽん多本家のキスフライ

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東京国立博物館 創立150周年記念の国宝展。

昨年、企画が発表されて以来、ワクワクして待っていた展示を、
鑑賞することができたのだが、なぜだか心を動かされず、あれれ…。

もしも料理屋のコースがメインの一皿ばかりで構成されていたら、
満足感が得られないのと同じような状況かもしれない。

たとえば展示されていた国宝「孔雀明王像」も、
横浜美術館で目玉として展示されていた時はひときわ輝いて見えたが、
数ある国宝のひとつとして並べられると、ありがたみが薄れてしまう。

まったく人の脳とはやっかいなものだ。
付け加えると、問題は博物館を訪れる直前に起きていた。

ぽん多本家」でいただいたキスフライがとてつもなく美味しかったのだ。
これまでは、とんかつ誕生にまつわる名店だからと、
カツレツしか食べたことがなかった己の愚かさを呪うほどだった。

鱚と言えば天ぷらだが、ぽん多が揚げる鱚は天ぷら屋より一回り大きい。
竹岡港で揚がる鱚のうち、天ぷらに適さないほどの大きなサイズのものは、
ぽん多が仕入れていくというのは、天ぷら職人の間で有名らしい。

箸で持ち上げると崩れてしまいそうになるほど大ぶりだが、
決して大味ではなく、口いっぱいに鱚のうま味が広がる幸せ。

国宝展を前にキスフライにすっかり心を奪われてしまっていたのだ。

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