少人数私募債/会社法・証取法の根拠条文

普通の社債と少人数私募債との間の線引きを詳しく調べてみようと、
会社法と証券取引法の根拠条文をかき集めてみた。
中小企業には少人数私募債。これ税理士事務所の当たり前。

本来、社債を募集・発行する場合、証券取引法と会社法の規制がある。
 証券取引法有価証券届出書の提出
 会社法社債管理者(銀行・信託会社など)の設置
でも下記条件を満たせば、少人数私募債としてこれらは一切免除。

社債の募集総額が1億円未満であること
  会社法第702条但書
社債1口の最低額が発行総額の50分の1を超えること
  会社法施行規則第169条
50人未満の縁故者に対して直接、募集する社債
  証券取引法施行令第一条の6…50名以上は公募
譲渡制限・分割禁止の規定を設けること
  証券取引法施行令第1条の7三
  証券取引法第2条に規定する定義に関する内閣府令第7条3
  証券取引法第2条③

※社債の発行総額が1億円超になった場合、
 社債の勧誘にあたり相手方に下記内容を告知する必要がある。
 ・有価証券届出書を提出していないこと
 ・社債の譲渡が制限されていること
 (証券取引法第23条の13③④)

○おまけ○
社債券を発行する場合の注意
社債券には記名式と無記名式がある。もしも発行するなら無記名。
記名式:会社の社債原簿に記載しなくても第三者に対抗できる。
無記名式:会社の社債原簿に記載されなくても会社、第三者に対抗できる。
めんどくさいから社債券は発行しないほうが無難だね。
社債券を発行すると額面に応じた収入印紙が必要。(印紙税額表4号文書)

以下条文の羅列


会社法第702条
 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令(会社法施行規則第169条)で定める場合は、この限りでない。

会社法施行規則第169条
 会社法第702条に規定する法務省令で定める場合は、ある種類の社債の総額を当該種類の各社債の金額の最低額で除して得た数が50を下回る場合とする。

証券取引法施行令第1条の6
 証券取引法第2条第3項第2号ロに規定する政令で定める要件とは、当該有価証券の発行される日以前6月以内に、当該有価証券と同一種類のものとして内閣府令で定める他の有価証券が発行されており、当該有価証券の取得の申込みの勧誘を行う相手方の人数と当該6ヶ月以内に発行された同種の新規発行証券の取得の申込みの勧誘を行った相手方の人数との合計が50名以上となることとする。

証券取引法第2条に規定する定義に関する内閣府令第7条3
 証券取引法施行令第一条の七第三号に規定する内閣府令で定める要件は、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める場合に該当することとする。
一 社債券(振替社債、相互会社の振替社債、振替特定社債及び振替社会医療法人債に係るものを除く。)及び法第二条第一項第九号に掲げる有価証券で同項第一号から第四号までに掲げる有価証券の性質を有するもの(振替外債に係るものを除く。) 次のいずれかに該当する場合
イ 当該有価証券に第一項に規定する方式に従い転売制限が付されている場合
ロ 前項に定める要件に該当する場合
ハ 当該有価証券の取得者に交付される当該有価証券の内容を説明した書面において、当該有価証券に転売制限が付されている旨の記載がされていること。
二 振替社債、振替投資法人債、相互会社の振替社債、振替特定社債、振替社会医療法人債及び振替外債(以下この号において「振替債」という。) 次のいずれかに該当する場合
イ 当該振替債に転売制限が付されており、かつ、当該転売制限が付されていることが明白となる名称が付されている場合
ロ 次に掲げるすべての要件を満たす場合
(1) 当該振替債の口数が五十未満であること。
(2) 当該振替債を分割できない旨の制限が付されており、かつ、当該制限が付されていることが明白となる名称が付されていること。
三 第一条に掲げる有価証券及び法第二条第一項第九号に掲げる有価証券でこれと同じ性質を有するもの前項に定める要件に該当する場合

証券取引法第2条③
 この法律において、「有価証券の募集」とは、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘(これに類するものとして内閣府令で定めるものを含む。以下同じ。)のうち次に掲げる場合に該当するものをいい、「有価証券の私募」とは、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘であつて有価証券の募集に該当しないものをいう。
一 多数の者を相手方として行う場合として政令で定める場合(有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者として内閣府令で定める者(以下「適格機関投資家」という。)のみを相手方とする場合を除く。)
二 前号に掲げる場合のほか、次に掲げる場合のいずれにも該当しない場合
イ 適格機関投資家のみを相手方として行う場合で、当該有価証券がその取得者から適格機関投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合
ロ 前号の政令で定める場合及びイに掲げる場合以外の場合(政令で定める要件に該当する場合を除く。)で、当該有価証券がその取得者から多数の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定める場合

証券取引法第23条の13③④
③少人数向け勧誘(新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘のうち第二条第三項第二号ロに掲げる場合に該当するもの(政令で定めるものを除く。)をいう。以下この項において同じ。)又はこれに係る有価証券の売付けの申込み若しくはその買付けの申込みの勧誘で第四条第一項本文の規定の適用を受けないもの(次項において「少人数向け勧誘等」という。)を行う者は、当該有価証券の発行に係る取得の申込みの勧誘が第二条第三項第二号ロに該当することにより当該取得の申込みの勧誘に関し第四条第一項の規定による届出が行われていないことその他の内閣府令で定める事項を、その相手方に対して告知しなければならない。ただし、当該有価証券に関して開示が行われている場合及び発行価額の総額が一億円を超えない範囲内で内閣府令で定める金額未満である少人数向け勧誘に係る有価証券について行う場合は、この限りでない。
④前項本文の規定の適用を受ける少人数向け勧誘等を行う者は、同項本文に規定する有価証券を当該少人数向け勧誘等により取得させ、又は売り付ける場合には、あらかじめ又は同時にその相手方に対し、同項の規定により告知すべき事項を記載した書面を交付しなければならない。