日本史では敗北の後に復活!というパターンが多く、
- 壬申の乱での天武天皇は吉野に下ってからの切り返し
- 平清盛に伊豆へ流された源頼朝が後に平家を破る
- 隠岐島へ流罪になった後に鎌倉幕府を倒した後醍醐天皇
- 信長は金ヶ崎の戦い、家康は三方原の戦いで大敗
- 第二次大戦後の経済成長
また敗者がどこかで生きて歴史を動かしたのでは?という伝承も数多い。
- 源義経が海を渡ってチンギスハンに?
- 徳川家康の側近、南光坊天海は明智光秀?
こうした過去に「負」を背負ったものが歴史を動かす、
というような展開は神話の頃から一貫して現れている。
古事記の中では、
- イザナキ・イザナミの国生み(最初の出産は失敗)
- 高天原を追放されたスサノオがヤマタノオロチ退治で英雄に
- 兄弟に2度殺害されて蘇り、出雲王国を作ったオオクニヌシ
- 戦いに敗れ兄が戦死した後、八咫烏を従えて大和を平定した神武天皇
というような例が見てとれる。
そもそも日本という国は、白村江の戦い(663年)での敗北をきっかけに、
亡命してきた百済の人々も取り込みつつ、建国された敗者の国ともいえる。
だから日本では敗者に特別な意味が含まれているのではないか?
また他国のように他民族を撃破した英雄が建国した国ではないから、
強いリーダーシップを持った権力者はめったに現れない。
日本で「尊敬する歴史上の人物は?」と聞くと、
その年の大河ドラマに影響されたりして、
コロコロとランキングが入れ替わってしまうのがその良い例だ。
ちなみに古事記においてイザナキ・イザナミの国生みのきっかけは、
誰だか分からないけど「上様」からの命令、ってことになってる。
「天つ神諸の命もちて」 ※諸=もろもろ(たくさん)
意志決定が合議制で責任の所在があいまいといった現象は、
今でも日本の組織の問題点として残っているが、
あらがえない日本の母型のようなものに縛られているのかもしれない。
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