IT革命後の情報と知性のせめぎあい
IT革命の恩恵で手軽に多種多様な情報や価値観に触れられるようになった。
私たちの情報収集が受動的なものではなく、能動的に変わり、
当初の悩みといえば、あらゆる分野で「学習の高速道路」が整備され、
高速道路を駆け抜けた先の大渋滞をどう抜け出すのか?だった。
ところが今では情報があまりに氾濫しすぎて、
情報をいかに取捨選択していくかが課題になっている。
たとえばAmazonのおすすめ商品の表示機能のように、
ITの力を使って個々人の好みに合わて取捨選択する方法もあるが、
これではむしろ視野を狭めてしまう方向へ進んでしまう。
結局自力で情報といかに向き合うか研鑽する以外に方法はなく、
参考になりそうな本を見つけたら、手にするようにしている。
今回手に取った高田明典「情報汚染の時代」には、
情報の質をどのように判断するかのチェックリストが提案されており、
これはなかなか便利なのでは?と感じたのでメモメモ。
情報経路の質のチェックリスト
私たちは情報の質をどのように判断していくべきか?
著者は情報経路の質を検証することである程度は可能とし、
5つのポイントを示している。
- 情報経路の任意性
- 情報経路の無関係性
- 情報経路の権威性
- 情報経路の継続性
- 情報経路の開放性
そしてこの5項目に対するチェックポイントを示している。
- その情報は、あなたの問いかけによって引き出されたものか[1]、それとも、相手側から言い出したものか[0]。
- その情報は、その提供者の利害に関係していないか[1]、関係しているか[0]。
- その情報の提供者は、その分野において名の知られた人物(組織)であるか[1]、それともそうではないか[0]。
- その情報の提供者は、長年にわたって(少なくとも2年以上)、その分野での情報を提供している者であるか[1]、否か[0]。
- その情報の提供者は、個人の資格でその情報を提供しているか[1]、それともなんらかの集団名・組織名・団体名の肩書のもとで発言しているか[0]。
4点以上の情報はとりあえず信頼に値すると考えてよいと著者は説く。
とはいえ質の高い情報経路を確保するためには、
自分自身が情報発信源として優良であることも不可欠なわけで。
そうなるとまずは専門分野を持つことが重要ということだろうか?
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