投資の話をしてきたので配付資料からピックアップして紹介。
今回が初めての上昇相場、って個人投資家向けの内容。
主なテーマは以下の2つ。
- 含み益の出ている株式に関する判断材料
- 上昇相場・好景気時の投資家の心得
まず利益の出ている株式を売るか、持ち続けるか?について。
これにはフィリップ・フィッシャーの示した基準が役立つ。
保有株を売る理由は次の3つであり、それ以外にはないと説く。
- 当初の購入判断にミスがあり、時とともに当初魅力的と思われた条件がその企業から失われた。
- 時の経過とともに当初妥当と思われた条件が変化し、もはや当てはまらなくなった。
- 保有株以上に魅力的な株に乗り換える。
こういった判断基準を自分の中に持っておくことが大事。
またこれからの新規投資については、
ベンジャミン・グレアムの警告を忘れてはいけない。
「長年の経験から分かっていることは、投資家が最大の損失を被るのは、好景気下で優良とはいえない証券を購入したときだということである。このような買い方をする人々は、直近の高収益がその企業の収益力であるととらえ、また、業績が好調であることが安全性であると考えている。」
直近の好業績に惑わされないための決算データの見方として、
EPSやBPSを過去5年平均で編集する方法を紹介した。
変化の早い時代だから、数年で山あり谷ありが含まれるだろう。
サンプルとしてエクセルで作ったJR東海の簡単な分析表を配布。
ウォール街のことわざ「上昇相場では誰もが天才」。
私たちは偶然の成功を偶然のまま放っておくことができず、
過去の選択が必然的に現在へつながったと、幻想しがちだ。
自信過剰に要注意。そんなウォーレン・バフェットの寓話。
「ほとんどの投資家が勝利に酔いしれた後、シンデレラの舞踏会と同じ現象が起きることを賢明な投資家は知っています。宴に長居すると、すなわち、将来CFに対して過大評価されている会社に投機し続けると、やがてかぼちゃとネズミに戻される、ということです。軽薄な投資家はこの魅力的な宴のたった1分をも逃すのを嫌います。皆、真夜中になる1秒前に出ようと企んでいるというわけです。彼らは時計を持たずに踊っているのですが…」
にぎわう宴を後にする力は、投資の技術とはおそらく無関係。
日頃より世間と距離をおいて視点を変える努力を続けることや、
「足を知る」とは何か?向き合い続けることが大切だと私は思う。
参考文献など
・チャールズ・エリス「大投資家の名言」
・ベンジャミン・グレアム「賢明なる投資家」
・Warren Buffett’s Letters to Berkshire Shareholders 2000
コメント
改めて見ると耳にいたい言葉がならびますね。
今の日本株式市場の状況は、今までの見向きもされなかった
状況から元に戻っただけと思っています。
でも既に期待感と瞬間的な利益急増だけで舞い上がってると
しか思えない一部の銘柄(ソーシャルゲームの某株とか)や、
ボロ株のマネーゲーム、ついこの前まで破綻懸念されてた
シャープのの株価が倍以上に急上昇したり(根本問題は何も
解決してないのに)といった状況は散見されます。
さて、では自分も持ち株リストと最新決算書、今後の見込み
など一度整理してみますか…。
株式投資は買うことよりも売ることの方が難しいものです。
お金は稼ぐことよりも使うことの方が難しいものです。
韻を踏んでみました。