暇より貴いことはない/白楽天「出府歸吾廬」

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白楽天の詩を眺めていて、これまで紹介したもの以外に、

これ好きだなと感じる晩年の詩を見つけた。

白楽天が58歳の詩に読んだ「出府歸吾廬」より後半部分。

身閑自為貴 何必居榮秩

心足即非貧 豈唯金滿室

暇より貴いことはない。地位の高さはどうでもいい。
家に金が満ちている必要はなく、心の満足が豊かさなのだ。

吾觀權勢者 苦以身徇物

炙手外炎炎 履冰中栗栗

朝饑口忘味 夕惕心憂失

但有富貴名 而無富貴實

世間に目を向ければ、苦しみながら名利を貪る人が多い。
外観だけは権威があるように見えるが、内面はビクビクしている。
朝は食べ物の味も分からず、夕方には名利を失うことを恐れる日々だ。
富貴とは名ばかりのもので、少しも実はないのだ。

この漢詩を読んだ時、ふと兼好法師の「徒然草」を思い出した。

「名利に使はれて、閑かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚かなれ。財多ければ、身を守るにまどし。・・・利に惑ふは、すぐれて愚かなる人なり。」

白楽天は日本でも親しまれ、和歌や文学にその影響が見え隠れする。
そのうちのひとつと言えるのかな。

※オマケ

漢詩をAIに読ませたら、読み下し文と日本語訳が出てくることを知った。
上記の漢詩は本を読んでいて少しだけ言及されていたものを詳しく知りたくて、
でも原文・日本語訳ともに容易に手に入らない!という状況だった。
中国のウェブサイトから原文を手に入れたら、Geminiが解読してくれたのだ!

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