百人一首愛ゆえに気付く命の尊さ/百人一首50「君がため…」 百人一首の恋歌で、なんとなく親しみがわくのは、陽成院の「恋ぞつもりて…」とこの一首だ。 君がため 惜しからざらし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな あなたのためなら、命も惜しくないと思っ... 2018.12.15百人一首
万葉集もみじが「黄」から「紅」に変わる頃に/百人一首24「紅葉の錦 神のまにまに」 もみじの語源 かつて日本人は 無文字社会からの移行期の万葉仮名の時代、 木の葉が色を変えることを「モミツ(毛美都)」と呼んでいた。 それが「モミチ(毛美知)」と名詞化し、万葉集の時代になる... 2018.11.11万葉集百人一首
百人一首長谷観音に願いをかけて/百人一首74「初瀬の山おろし」 うかりける 人を初瀬の 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを 金葉和歌集の撰者、源俊頼(1055~1129)の一首。 初瀬は現在の奈良県桜井市の地名でもあり、この地の長谷寺に祀られる十一面観... 2017.03.31百人一首
万葉集万葉人の桜/百人一首61「奈良の都の八重桜」 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな 藤原道長の娘で一条天皇の中宮・彰子に仕えた歌人の一首。奈良から宮中(九重)に献上された八重桜を愛でている。 平安時代には京都では八重... 2017.01.18万葉集百人一首
万葉集神の山になびく洗濯物?/百人一首2「天の香具山」 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 持統天皇(645~702)の一首で、万葉集(巻1・28)に収録されている。 この時代の都は現在の奈良県橿原市の藤原京にあり、そこから東に... 2017.01.15万葉集百人一首
食文化と美食探訪七草の習慣が庶民に広がるのは平安末期?/百人一首15「若菜摘む」 君がため 春の野に 出でて若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ 百人一首に収録される光孝天皇(830~887)の和歌。 意味を知らずに読むとなぜ天皇が葉を摘んでいるのか?となるが、実はここでの「... 2017.01.06食文化と美食探訪百人一首
百人一首12,000首からの100首。百人一首は定家の記憶力の賜物? 百人一首に収録された和歌の引用元の勅撰和歌集を辿ってみると、百人一首成立以前の勅撰和歌集からまんべんなく採られていた。 もしかすると撰者とされる藤原定家は、過去の勅撰和歌集に収録された和歌をだい... 2016.05.20百人一首
百人一首立花宗茂と小野篁、日本史上稀な復活劇。 柳川藩主立花邸「御花」で結婚式をした。この地を治めていた立花家の別邸だった場所に、立花家16代が旅館と料亭の営業を開始し現在に至る。※挙式の担当者がなんと立花家18代目にあたる方だった。 立花家2代... 2016.04.10百人一首日本の歴史と文化
百人一首陽成院の生きた時代/百人一首13「恋ぞつもりて…」 小倉百人一首13番目に収録される陽成院の和歌。 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 筑波山の峰から流れる男女川の水が集まり、 やがて淵となるように、 あるかないか小さな恋心... 2015.12.14百人一首
百人一首散る桜の和歌/百人一首33「静心なく花の散るらむ」 散り始めた桜。 その情景を詠った百人一首の和歌と言えば、 ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ 古今和歌集の撰者の棟梁、紀友則の一首。 上三句に穏やかな春の情景美... 2015.04.03百人一首
百人一首小町が桜に込めた想い/百人一首9「花の色は…」 百人一首に収録された桜歌で代表的な和歌と言えば、 小野小町が詠んだこの歌だろうか。 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に 美しい花もやがて散る…、私もおば... 2015.03.30百人一首
百人一首用賀と百人一首の謎 世田谷美術館で「魯山人展」やってるよー! と誘ってもらって、初めて用賀の駅に降りて「?!」 まずは古代ローマの円形劇場風の階段がお出迎え。 そして駅から美術館のある砧公園までの道のりが凄い! 路面に百... 2014.12.11百人一首
古今和歌集紅葉の和歌といえば/百人一首17「ちはやぶる…」 紅葉の時期が近づいてきた。 東京でもほんのり色付きはじめた木も見かける。 紅葉の和歌といえば真っ先に思い浮かぶのが、 百人一首に収録される在原業平の一首。 ちはやぶる 神代もきかず 竜田川... 2014.10.05古今和歌集百人一首
百人一首1000年以上も変わらぬ奇跡/百人一首7「三笠の山に…」 百人一首の暗記に挑戦したのは小学生の時。 恋はまだ分からない。日本語もあまり得意ではない。 そんな時期の私が一番最初に覚えたのが、 天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも 作者... 2014.04.19百人一首
百人一首「待つ」とは信じ、祈ること/百人一首97「来ぬ人を…」 技術の進歩とともに、待ち時間の短い世の中になってきた。 だから人はしだいに待つことができなくなっていった。 混んでいる急行電車にムリヤリ乗ろうとする バス停で怖い顔をして立っている エレベーター... 2014.03.25百人一首
百人一首和歌の中の富士山/百人一首4「富士の高嶺に…」 富士山の噴火の最古の記録は781年なんだとか(続日本書紀)。 「天応元年七月癸亥駿河国言富士山下雨灰灰之所及木葉彫萎」 当時の富士山は今の桜島のように常に噴煙を上げていて、 小規模な噴火を繰り返し... 2014.03.01百人一首
お薦めの本杉田圭「超訳百人一首 うた恋い。」 百人一首の歌が詠まれた背景を漫画化した本。 3作目が発売され、この夏にアニメ化も予定されているそうな。 2作目は六歌仙の在原業平、小野小町、文屋康秀を中心に、 3作目は「枕草子」の清少納言を中心に百人... 2012.04.22お薦めの本百人一首
百人一首失われゆく月のロマン 今年の中秋の名月は9月22日なんだって。先月は満月近くに、ちょうど多摩川の花火大会が重なり風流を楽しんだ。 もしも夜空に月がなかったら、、、なんて考えてみると、月が文芸の分野に与えた影響が、いかに大き... 2010.09.06百人一首
日本の美意識桜と日本 新年度、新学期のはじまりだから、頭の中から桜を散らしてみた。21種の勅撰和歌集、全190,423首を集めたという、和歌データベースで、「さくら」で検索してみると、5,686首ヒットした。約3%、その程... 2010.04.01日本の美意識百人一首
百人一首百人一首をもういちど 昔は意味も分からず丸暗記したけど、カルタ取りとして通りすぎるには、もったいない素材であることに今ごろになって気づいた。あいかわらず鈍感。百人一首の撰者は藤原定家(1162~1241年)。定家の日記「明... 2010.02.13百人一首