すごく今さらな話なのだけど、「負債論」や「ブルシット・ジョブ」の作者、
デヴィッド・グレーバーさんが2年前に亡くなっていたことを知った。
もっとこの人の著作を読みたかったのに、59歳で亡くなってしまうなんて…
何かおかしくないか?というモヤモヤを、スッキリさせてくれる名人だった。
「つまるところ負債とはいったいなにか? 負債とは約束の倒錯にすぎない。それは数字と暴力によって腐敗してしまった約束なのである。」(負債論)
「ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、被雇用者は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。」(ブルシット・ジョブ)
モヤモヤをはっきりさせることが、なぜ重要なのかというと、
「ブルシット・ジョブ」の翻訳を担当した酒井隆史氏が、
ほぼ日ウェブサイトでこんな話を紹介している。
「世界的にも共感の声が大量にあって「自分の仕事がブルシット・ジョブだとよくわかった」という人がたくさんいるんですけど、アメリカのAmazonでの1番人気レビューは、不動産業で働く人の「この本で命を救われた」というものなんですね。そういう人までいるわけです。いまブルシット・ジョブに苦しんでいる人が、実は世界中にいて、そういう人たちみんながこの本を読んで「そういうことだったのか!」となったわけです。」
なんだか分からなかった悩みの正体に裏付けを与える。
根本的な問題解決ではないが、それがある種の救いとなる。
このあたりの専門的な話は妻が詳しかったような…(寄稿してもらおうかな)
こういった本が書ける方は貴重なのに、
イタリア滞在中の2020年9月に死去とのことなので、
やはりCOVID-19の仕業かな…残念。
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