歴史に法則はない/カール・ポパー「歴史主義の貧困」

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久しぶりにカール・ポパーの「歴史主義の貧困」を再読。

前回の読書メモは、序章をちぎっているだけなので、
おそらく中身はよく理解できないまま挫折したものと思われる。

でも今回は少し理解できたように思う。
おそらくその要因は初読後に、
曲解された進化論が世界の捉え方をおかしくしていることを学んだり、

ピケティ「21世紀の不平等」が世界的なベストセラーになって以降、
マルクスや社会主義への礼讃を目にすることが増えたからだろう。

ポパーが批判する「歴史主義」とは、
歴史に物理学の法則のようなものを求めることや、
社会に進化論を適用して、歴史に発展の法則を見出そうとする考え方。

「類例のない一回だけのプロセスを観察しているかぎり、普遍的仮説を検証することも、科学的に認められる自然法則を見つけ出すことを期待できない。」P182

「歴史主義は、解釈は必然的に複数あり、それらは基本的に示唆性においても恣意性においても同等であるということを理解していないのである。」P243

歴史主義者が科学理論と思い込んでいる法則は単なるトレンドにすぎず
「すべての歴史は階級闘争の歴史」というような定義付けは誤りと説いた。
社会主義への批判としてはこんな記述もある。

「全体論的な計画を立てる者は、権力を集中することは容易であっても、多くの人々の頭の中に散らばった知識を集積することは不可能であるという事実を見逃している。しかし、集権化した権力を賢明に行使するには、こうした知識の集積が不可欠なのである。」P154

今風に言うと「多様性(ダイバーシティ)」と相容れないことが、
社会主義がうまく機能しないことの原因と見抜いている。
ゆえに歴史の行く末を予測して、計画的に経済を回すことなど不可能。

「歴史主義の貧困とは、想像力の貧困である。」 P212

トレンドにすぎないものを法則としてあがめることは、
世の中の変化を想像できずに、自分の考えにしがみつくことと同じ。
投資のヒントにもなり得る名著と認識したのだった。

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