おかずのクッキング最終号が哲学的

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料理が日々の習慣になって7年ほどになる。

レシピ情報はネット上に星の数ほど存在するが、
料理人や料理研究家のレシピは味付けにブレが少なく、
結局、料理番組のレシピを頼りにすることが多い。

しかし毎週録画していたテレビ朝日の「おかずのクッキング」が、
先日、残念ながら最終回をむかえた(なんと48年も続いたらしい)。

普段はテキストを買っていなかったが、最後の記念に買ってみた。
売り切れ続出でなかなか手に入らなかったので、
私のような人がかなり多く、視聴者に数えられなかったことで、
番組が打ち切りとなったのなら、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

常にそうだったのか、最終号だからひときわ力を入れたのか、
土井善晴さんからのメッセージが哲学的だ。

お料理する人は、まず素材を集めます。

そのとき 自然をおもいます。

何を食べればいいか教えてくれます。

その次に 食べる人をおもいます。

お腹を空いているかなって思い浮かべます。

お料理する人はいつも自然と人間の間にいるんですね。

自然(地球)と人間の間には情緒が生まれます。

人間と人間の間に愛情が生まれます。

以上のまとめとして、土井さんはこう説く。

人間は食べることよりも、料理することが大切だ

思い起こせば約8年前、料理の必要性を痛感させられたのは、
神経学者スザーナ・エルクラーノ=アウゼルが、
進化の過程で人間と猿を分けたのは「火を使って料理をした」こと、
と説いている動画を見たことがきっかけだった。

その2ヶ月後から、先ごろ亡くなった柳原一成さんの料理教室に通いはじめた。
生涯独身だろうから日々の生活を充実させるためにと、はじめた料理だったが、
翌年、突然結婚し、そこからは台所に立たない日はない。

私は料理を苦もなく習慣化することができたが(習慣化がわりと得意)、
一般的にはなかなか難しいもの。

だから土井さんは「一汁一菜」を掲げ、心理的なハードルを下げ、
テレビ番組を通じて、料理を作る楽しさを伝えようとしていたのだと思う。

古くは北大路魯山人もまた、家庭料理の大切さを強調していた
時代を問わず、不変の真理に沿ったテレビ番組が消えるということは、
ありきたりな解釈をすると、テレビ自体の消滅を象徴しているのだろう。

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