レストランでの日中文化摩擦

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行きつけのイタリア料理店(カウンター8席・シェフ1人経営)が、
予約が取りづらくなり、繁盛してよかったなぁと思っていた。
でも先日久しぶりに訪れたところ、事情が異なるようで…

昨年後半に中国のインフルエンサーが来店、SNSで紹介されたらしく、
中国人と思われる名前での予約が次々と入ってきたとのこと。
しかし多くの場合、連絡なしに来店しない(ノーショー)。
また来店したとしても30分以上遅れて到着することが多く、
悪びれもせずに写真や動画の撮影に夢中で騒がしい。

シェフ1人で回しているから、食事は一斉スタートで、
円滑に料理が提供できるよう、前もって調理を進めている。
だから来店がなければ、大きな食品ロスが発生するし、
大幅に遅れて来店なら、ペースを乱され他のお客さんにも迷惑がかかる。

私が訪問した当日も中国人客のノーショーが発生し、
シェフは本当にウンザリした様子で今後の対応に悩んでいた。

そういえば、中国人客のノーショーについては、
日本在住の中国人が、観光でやってくる友人のために代理予約して、
旅行日程が変わったりすると、キャンセルしないまま放置される、
というケースが多いと聞いたことがある。

対策として私が知る限り一番厳しい対応をしているのが、
早乙女哲哉さんの「みかわ是山居」。
ネット予約の場合、予約時点で1万円課金して、
キャンセル、日程変更いかなる理由であっても返金しない。
※訪問履歴があれば電話予約で事前課金はされない

料理人に敬意を持たない人間は国籍を問わずお断りということだ。
たしかに、ここまでやればノーショーを排除できるけど、
「天ぷらの神様」のお店だからこそできる対策だよね。

来店時間を守らないのは、もしかしたら食文化の差なのかなと。
日本人にとっては料理に時間管理が必要なのは当たり前。
懐石料理からラーメンまで開店の何時間も前から調理をはじめる。
もしかすると、そういう仕事が海外の人には理解できないのかな。
お客が席についてから料理をはじめるものでしょ?って感覚かも。

そうでなければ、日本は物価が安い上に円安だから、
この値段なら下ごしらえが必要なレベルの料理じゃないよね、
という風に海外の人には見えてしまうのだろうか。

ふと、浜田岳史「美食の教養」の一節を思い出す。

「日本が経済的に地盤沈下すればするほど、インバウンドをターゲットにしたお店が増えていきます。日本人にとっては残念ですが、普通の日本人の感党だと高すぎて行けない店も増えていくと思います。そして、そういうお店が、高値で食材を買う可能性も強い。そうすると、極端な話、日本の最高の食材は、日本人の口には入らないということにもなりかねません。日本人からすると「考えられない」「あの料理にあんな値段を払うのか」ということになるかもしれませんが、そもそも、経済が衰退するというのは、そういうことなのです。」

単なる文化の差で起きている問題であって欲しいが…

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