新古今和歌集

新古今和歌集

梅と香と袖の連環/業平「梅の花香をのみ袖にとどめおきて」

伊勢物語の第4段の和歌といえば、古今和歌集の恋五の巻頭にも採られた一首が有名。月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わが身ひとつは もとの身にして一般的に目にする伊勢物語は藤原定家(1162〜1241)が書...
新古今和歌集

藤原定家の桜歌/拾遺愚草より10首

腰が壊れて動けなくなった時に(実は未だに完治せず…)、藤原定家の自選和歌集「拾遺愚草」をタブレットで読んでいた。※このサイトでPDF版がダウンロードできる!まもなく桜の時期がやってくるので、目に止まっ...
新古今和歌集

新古今和歌集の七夕の和歌が涼しげ。でも当時の気候と合わない?

旧暦の7月7日は今の暦では8月頃に該当する。よって立秋後ということで七夕は秋の行事とされる。鎌倉時代初期の1216年に成立した新古今和歌集には、下記のような涼しげな七夕の和歌が並んでいるが…七夕の 天...
日本の美意識

秋は夕暮れ。心の情景を和歌に詠む。

春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて。言わずと知れた清少納言「枕草子」の季節感。古今和歌集で特に美しい恋歌(484)、夕暮れは 雲のはたてに ものぞ思ふ天つ空なる 人をこふとて遠い空のように...
西行「山家集」

和歌で読み解く、短冊以前の七夕の願いかけ。

毎年この時期に七夕の和歌を紹介してきた。最近は歌人に着目して編集してきて、柿本人麻呂の和歌で詠む七夕の心 紀貫之の和歌で詠む七夕の心 建礼門院右京大夫の和歌で詠む七夕の心 平安時代以降は顔を合わせるの...
新古今和歌集

夢とうつつの境界線/荘子「胡蝶の夢」

夢とは何か?脳科学の観点から説明すると、日中の体験の整理や保管を行う作業が「睡眠」で、 その編集作業中の一部がかいま見えるのが「夢」。夢は日中の覚醒した状態のオマケというところだ。でも、荘子の語る「胡...
古今和歌集

雪を見立てる古今和歌集、雪の白さを愛でる新古今和歌集。

古今和歌集(905年)と新古今和歌集(1205年)。この300年で大きく変わったのは冬の美の再発見。雪の和歌を比べるとその変化が見てとれる。古今和歌集では紀貫之の雪を花に見立てた歌や雪降れば 冬ごもり...
古今和歌集

散る紅葉が冬にずれ込む新古今和歌集

秋は紅葉の季節。温暖化で2050年の京都の紅葉の見頃はクリスマス頃?なんて予測もあるそうだが、そのつながりで気になること。平安時代の後期1000~1200年頃の京都は暑く、冬に池にはった氷を採取し、山...
新古今和歌集

夕立の和歌。平安末期の気候は今と似ていた?

夕立の多い季節。昔の人たちはどんな感じで空を眺めていたのかな?和歌をたどってみると、少し奇妙なことが分かった。新古今和歌集以前に夕立の和歌がほとんどない。まずはその新古今集(263)から西行法師の一首...
日本の美意識

月の満ち欠けにめぐり逢いを見る(新古今和歌集)

「恋・桜・月」は日本文化形成に不可欠な3点セットだった。でも「月」が日本人の心の問題になった時期は遅く、おそらく平安時代後期のあたりから、というのがこの記事。日本はいつから「月」に目覚めたのか?(13...
日本の美意識

新古今和歌集の桜歌/無常と面影

古今和歌集(905)から時代を下ること300年。 鎌倉時代初期に完成したのが新古今和歌集(1205)。 桜の和歌に込められた想いを辿ると変わったなぁ、という印象。古今和歌集の桜歌(13/03/18) ...