ふと目にとまった詩に、
人は今も昔も変わらないのだなぁと。
遠くのできごとに 人はやさしい
近くのできごとに 人はだまりこむ
遠くのできごとに 人はうつくしく怒る
近くのできごとに 人は新聞紙と同じ声をあげる
戦争を題材にした詩を発表し続ける詩人、
石川逸子(1933~)の「風」という詩の一節だ。
人は縁遠い出来事であれば正しい判断ができるが、
身近なことになった途端に思考停止に陥ってしまう。
そしてなんの美学も道徳律も持たない烏合の衆となる。
「大衆とは良い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分はすべての人と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出しているすべての人のことである。」
---オルテガ・イ・ガセット「大衆の反逆」 P17
世間とうまい距離感を保つことは、
投資家としての人生にはたしかに有効だけど、
人生全般にわたる「知」の方法としては弱いのかな。
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