神社やお寺につきものの「おみくじ」。
初詣のついでに一年の運勢を占う、という軽い感じだけど、
歴史を紐解くと、大きな決断につきものだったことが分かる。
調べていたら見つかったエピソードをいくつかメモ。
謀反の吉凶を占う
日本史上最も古い「くじ」の記録は、
有間皇子(天智天皇のいとこ)が謀反の成否を占った
「或本に云く、有間皇子、蘇我臣赤兄・塩屋連小戈・守君大石・坂合部連薬と、短籍を取りて、謀反けむ事を卜ふといふ。」
という日本書紀の記述(658年)。
短籍(たんざく)がくじに該当するもので、
何枚かの短冊に文字を書き、折りひねってくじにした。
謀反の計画は事前に漏れて処刑されてしまう。
謀反とおみくじで一番有名なのが本能寺の変(1582年)。
信長から毛利攻めの命を受けた光秀は、
戦勝祈願のため愛宕神社へ参拝し、おみくじをひいた。
幾度もおみくじを引きなおしていたという逸話と
この時に開いた連歌会で光秀が詠んだ
ときは今 あめが下しる 五月哉
から謀反を決意したとされている。
天皇・将軍を選ぶ
こんなことまでおみくじで?!という例が2つ。
- 四条天皇の後継を鶴岡八幡宮のおみくじで(1242年)
- 足利義持の後継を石清水八幡宮のおみくじで(1428年)
四条天皇は女官にいたずらしようとして転倒。
そのまま亡くなってしまう(享年12)という不運の天皇。
鶴岡八幡宮のおみくじで後継の後嵯峨天皇の即位が決定。
つまりは鎌倉幕府が都合の良い天皇を選んだわけだけど、
おみくじ!と主張すれば正当性を主張できたんだね。。。
ちなみに現代でも、内閣総理大臣指名選挙で、
上位2名の決選投票で獲得票が同数なら、最後はくじ引き!
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