白村江の戦い、壬申の乱を詠わない万葉集

手当たり次第に万葉集の関連図書を読んでいてふとした疑問。

万葉集がカバーする年代の初期の大事件、

  • 白村江の戦い(663年)
  • 壬申の乱(672年)

にまつわる歌が一首しか見当たらないのはなぜだろう?

熟田津に 船乗りせむと 月待てば 
潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな

熟田津(愛媛県松山市)から朝鮮に向けて出発する際の一首。
月を待ち、潮を読んで、今が漕ぎ出すときだ!と軍を鼓舞している。
このような歌がほかにもあっていいと思うのだが。

大君は 神にしましせば 天雲の 
雷のうへに いほりせるかも

神である天皇の失策や天皇家同士の内乱には目を背けるということか。
詠んだ歌人がいなかったのか、それとも編さんの段階で省いたのか。
長いものに巻かれることを良しとする日本的な気質はこの頃から?