日本の株式リスクプレミアムは3~6%かな

株式投資の際、適正株価をDCF法で適正株価を算出するだって?
DCF法による企業価値評価は、主にM&A等の交渉の道具であり、
私たち投資家が投資の意志決定に使うものではない。
というのが私の持論。

でも株主資本コストを算出する式は使うことがあるかもしれない。
株主資本コストは、投資家が企業に期待するリターンだから、
ROEが株主資本コストを下回る企業は期待はずれってこと。

Re=Rf+β×(Rm-Rf

  • Re: 株主資本コスト
  • Rf: 安全資産の投資収益率(10年国債利回り)
  • Rm: 株式市場全体の期待利回り
  • Rm-Rf: 株式リスクプレミアム
  • β: インデックスに対する対象会社のリスク

この先、国債利回りの上昇もありうるので有効な指標だろう。
ただしこの式、株式リスクプレミアムの数値が謎。
期間をどう取るかによってだいぶ変わる。(マイナスになることも)
そこでかき集めた情報が下記の通り。

1966年から2001年までの市場リスク・プレミアムを東証株価指数(TOPIX)と10年国債利回りから計算すると、3.8%となります
---渡辺茂「ケースと図解で学ぶ企業価値評価」P67

日本では、5~5.5%をマーケット・リスクプレミアムとすることが多いようです。
---石野雄一「道具としてのファイナンス」(2005)P122

長期間をとると(1952~2004年)、5.6%
---山口勝業「日本経済のリスク・プレミアム」(2007)P78

証券アナリストやファンドマネージャーは経験値として市場リスクプレミアムをおおよそ3~6%として企業価値を評価していることが多い。 」 ---伊藤邦雄「新・企業価値評価」(2014)P318

東京証券取引所第一部上場企業の株価指数TOPIX をマーケット・ポートフォリオの代替指数とし、マーケット・リスクプレミアムは、4~6%を使うのが妥当だと考える。本書の事例では、その範囲のなかの数値で、日本証券経済研究所のデータをもとにマーケット・リスクプレミアムに5%を用いている。
---鈴木一功「企業価値評価・実践編」(2004)P16

株式リスクプレミアムは、1952 年から2002 年までの株式総実現収益率の幾何平均と長期国債利回りの幾何平均の差が、日本では約5%、アメリカで約4%であること、既存の研究で日本の株式リスクプレミアムを4%と置くことが多いことを考慮し、日米とも一律で4%とした。
---内閣府「アンケート調査からみた日本的経営の特徴」(2005)P14

コメント

  1. かえる より:

    おお~欲しかった情報です♪
    まとめて頂き有り難うございます。
    時期によって数字が変わってくるんだと思いますが、
    低い数字もあるんですね。
    あまり安易なリスクの取り過ぎ(ちゃんと企業分析などせず)には注意しないといけないですね。

  2. まろ@管理人 より:

    ちょっとマニアネタなのでどうかな?と思ったけど、反応があったので、もう少し増えました。
    たしかに期間の取り方でめちゃくちゃ変わっちゃいます。
    山口勝業氏の本でこんな説明もされてました。
    「データの期間や計測のしかたで結論が大きく変わってくることがあるので要注意である。たんにより長い期間をとれば、より正確な推計ができるわけではない。とりわけ、戦争などで市場が中断している場合は、いつからいつまでの期間で測るかによって、まったく結論が異なってくる。」