投資をはじめた頃、固定電話回線でネットに接続していた。

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昔のことを振り返っていて、そういえば!と思い出したことが表題。

たしか2000年に株式投資をはじめて1年間ぐらいは、
固定電話回線でインターネット接続していたと思う。

だからネット接続するにも、○分○円で電話代が必要だったし、
しかも昔のパソコンは起動に時間がかかったりと、
今のように手軽に株価を確認できなかったことを思い出す。

でも面倒な環境だったからこそ、今の投資初心者がはまりがちな、
日々株価を眺めて一喜一憂するようなことが、そもそもできなかった。
今振り返ると、あれは貴重な経験だったのかもしれない。

荘子」にこんな一節がある。

「機械有るものは必ず機事あり。機事有るものは必ず機心あり。機心胸中に生ずれば、則ち純白備わらず。純白備わらざれば、則ち神生定まらず。神生定まらざる者は、道の載せざるところなり。」(「荘子」外篇・天地第十二)

便利な機械を使って楽をしよう、得をしようって気持ち(機心)により、
純白の心が失われると、道を踏み外してしまうよ、という教えだ。
スマホでいつでも株価や金融資産の変動が確認できる環境は、
「機心」が生じやすい状況だが、この誘惑は強烈だ。

私も2010年頃に初めてのスマホを手にして、
これはヤバイ!と2012年にいったんガラケーに戻したほど。
もしかすると電話回線のネット接続という不便な体験があったから、
株価情報とのいい距離感みたいなものが、頭の片隅にあるおかげかも。

2015年秋に再びスマホに戻しても、その後はブレることなく、
株価の暴落時にのみ株価情報にかじりつき、平時はほったらかし。
なるべく情報の洪水からは距離を置くことで、
自分なりの世界を読み解く方法を見つけたいと考えている。

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