住宅購入は究極的には何の備えになるのか?

この記事は約2分で読めます。

マンション価格の高騰はいつまで続くのか?

そんな問いかけは「いつ買うべきか?」という疑問の裏返し。

しかし「住宅購入にいくらかけられるのか?」を深く考えていないのでは? 
多くの場合「借りられる住宅ローンの金額次第」ぐらいの認識では?

近年のマンション価格の底上げには、
夫婦共働きで2人で住宅ローンが組めるから、
1億円近い物件でも買えてしまう、という謎の事情もあるらしい。
ブランコ・ミラノヴィッチがOECDのデータを示して指摘していた
格差拡大の一因は、高学歴・高収入同士の結婚にあるという話と近いか。

しかし2人が病気や怪我もなく、30年以上働き続けてローンを返済する、
という前提はずいぶんと危うい橋を渡っているように思える。
しかもマンションは値段が上がるほど、管理費・修繕積立金が高くなる。
そもそも銀行員はあなたの人生を考えて、住宅ローンの限度額を決めてはいない。
貸しやすい人に貸せるだけ貸して、回収不能になれば物件を差し押さえるだけ。

だから住宅ローンを基準に住む地域や物件を決めるのは極めて危険だ。

賃貸と比べたとき、持ち家がなぜ必要なのか? 
住宅購入は究極的には何の備えになるのか?

今の私の答えは「人生100年時代に備えるため」になるだろうか。
最近チラホラ耳にするのだが、60代後半になると、
新たな賃貸契約を結ぶのが難しくなり(大家さんが嫌がるとか)、
気に入った物件が見つかっても、残念ながら…という事例があるようだ。

こうした事情を考慮すると、50代後半までは賃貸で暮らし、
その時点の経済状況で住宅にかけるお金を決めるのが無難ではないか

この年齢になれば多額の住宅ローンも組むことはできず、
自然と身の丈に合った地域や物件を選ぶことができるはずだ。

もちろん早いうちに資産を築き、ローンなしで家を買えるなら年齢は関係ないが。
年齢次第で総資産の何割まで不動産にするか?という検討の仕方になるだろう。

コメント

  1. こなつ より:

    毎回、楽しく読んでいます。
    当記事の考え方は、あまり見かけない(私だけ?)。
    いやひょっとして、同じように考えている人は、ある一定数いるのだが、それを表明していないだけかもしれない。
    わたしも、ほぼ同じ考えです(偶然と優柔不断も影響していますが)。
    「50代後半までは賃貸で暮らし、
    その時点の経済状況で住宅にかけるお金を決める」
    の深掘りを希望します、

  2. ユイ より:

    他にはない視点で気付きを与えてくださる記事が多く、いつも興味深く拝読させていただいております。

    今回の記事のほかにも、住宅購入についてのご見解がございましたら、ぜひご披露ください。

  3. 吉田喜貴(まろ) より:

    リクエストにお応えしてもう少し書いてみました。
    https://pixy10.org/archives/post-8315.html