株式投資をはじめると住宅ローンが怖くなる

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先日、住宅購入についての覚え書きをしたところ、
読者の方からこのテーマを「もっと!」とご要望いただいた。
めずらしいことなので、50代後半までは賃貸で暮らし、
その時の経済状況で住宅購入を検討する、という考えの背景を少々。

私が株式投資をはじめて数年経った2005年のこと。
分譲マンションの耐震強度偽装事件(姉歯事件)が起きた。
立地や広さからすると当時の相場としては割安で、
お買い得物件だからと購入された方は大変な目に遭った。

この事件を株式投資の世界に置き換えると、
ある企業の株価を割安と判断し、信用取引で買うも(借入金で株を買う)、
後に業績悪化により株価が急落して財産を失うのと似ていると感じた。
(当時の私は「住宅ローンでマイホーム = 信用取引」と書き残している)

そして株式投資からもう一度、住宅購入の話に戻して考えると、
姉歯事件が特殊だった、では済まされない共通点が現れる。

株式の信用取引と住宅ローンでマイホーム購入は、
まぐれと実力の取り違え」を起こした結果、
人生や財産をリスクにさらすという点で共通しているのでは?

「上昇相場では誰もが天才である」という相場の格言があるように、
自らの実力を過信して、信用取引で投資をはじめるパターンが多い。
昨年流行った「レバナス(レバレッジNASDAQ)」もこの例に当てはまる。

たまたま業績好調の企業に職を得ていると、住宅ローンを組みやすい。
そんな偶然の今に合わせて設定された長期の返済計画は、
上昇相場でうかれた投資家の過信と似ているのではないか?

さらに付け加えるなら住宅購入は、

  • 一度に投じる金額が株式投資の何百、何千倍である
  • 株式投資のように投資先企業を分散することはできない
  • 買いのタイミングを分散することはできない

というように、株式投資を経験すると目まいのするようなリスクが満載だ。
しかも自己資金ではなく借入金で…これはかなりの「賭け」だ。

以上のような話を承知の上で、住宅購入を選択する分には問題ない。
でも多くの方は、株式投資には怖がって手を出そうとしないのに、
住宅ローンになると低金利だし、住宅ローン控除もあるから、
借りられるだけ借りてしまうのが得でしょ?と何の抵抗も持たない。

そこで万人に共通する失敗しない住宅購入のアドバイスを考え、
人生で最も持ち家のありがたみが感じられる老後前に、
身の丈にあった家を買うのがいいのでは?という結論に至ったのだった。

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