「京大変人講座」の経営学者、山内裕氏の章で、
「ホスピタリティ“hospitality”」の語源についての記述が目を引いた。
ラテン語の“hospes”がもとになっており、
“hostis”と“pets”の2つが合わさったもので、
- hostis…敵意ある見知らぬ者
- pets…力を持つ
つまり“hospes”は「敵意ある見知らぬ者に対して力を持つ」となる。
たとえば共同体の外側から見知らぬ人がやってきた時。
内心の恐怖を悟られないために、気前よく来訪者を受け入れて、
「自分は力を持っているのだ」と権力を示そうとする。
またそうすることで共同体の中でも「あの人はすごい」と一目を置かれ、
それが「高貴である」ことの源泉につながっていく。
以上のようにホスピタリティの語源を読み解くと、
「おもてなし」と同義語のように使うことには違和感がある。
つまり客にこびた接客をしないことで、
みずからの価値を高めようとするのが「ホスピタリティ」だよね。
著者の主張がよく分からなかったのだけど、
ホスピタリティの意味合いに近い日本のおもてなしとは、
「俺は金儲けなんかには興味がないよ」
と装う職人気質の鮨屋の主人が該当するのだろうか。
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