好調ソニーを後押しするFGOとギルガメシュ叙事詩

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ゲームアプリで稼ぐソニー

ソニーの決算をチェックしている投資家であれば、
ゲームアプリ「Fate/Grand OrderFGO)」の大ヒットをご存じだろう。

ソニー・ミュージックエンタテインメントの100%子会社、
アニプレックスが配信するゲームで、2018年の課金売上は1,000億円を超える。

最近ソニーの決算が久しぶりに好調なことと、
2018年3月期の決算説明会資料でゲーム名が言及されて以来、
経済誌などでも話題になることが増えた。

その他資料を読むと2018年、2019年3月期のソニーの連結営業利益のうち、
2年間で300億円程度はFGOによるものではないかと思われる。

これは一体?とPrimeビデオでFateシリーズの観てみたが、
世界の神話や英雄をモチーフにした登場人物に特徴があり、
ジョゼフ・キャンベルが生きていたら面白がったことだろう。

しかも神話と英雄はネタが尽きることがないので、
やろうと思えば半永久的に物語を量産することができてしまう。
これはもの凄いコンテンツだ。

私が観たFateのアニメはFGOではなく昔のゲームが元だったが、
10月からFGOが元にしたアニメが放送されるので観てみたい。
公式サイトのIntroductionを読むと「ギルガメシュ叙事詩」関連か?

というわけで手元のギルガメシュ叙事詩を読み返してみたところ、
少しおもしろいことに気が付いたのでメモ。

ギルガメシュ叙事詩

あらすじ

ギルガメシュ叙事詩は人類最古の物語。
あらすじをざっと箇条書きにまとめておくと、

  • 主人公はウルクの王、ギルガメシュ。3分の2が神、3分の1が人間。強き英雄であったが暴君としてウルクの民に恐れられていた。
  • 民の訴えを受け容れた女神アルルが粘土からエルキドゥを作ってウルクから少し離れた野に置いた。
  • 当初は野獣のような姿だったエルキドゥだが、ギルガメシュから遣わされた娼婦によって、人間らしい姿に変わっていく。
  • ギルガメシュとエルキドゥは大格闘の末に互いの力を認め、友情が芽生える。
  • 2人はあらゆる悪を国から追い払うため、森の番人フンババを討伐。
  • ウルクに帰還したギルガメシュは、女神イシュタルから求婚されるがあざけり返す。
  • 怒ったイシュタルは父の神アヌにウルクを滅ぼすことを求め、アヌは天の牛を送るが、ギルガメシュとエルキドゥはこれを撃退。
  • しかしフンババと天の牛を殺したことが元でエルキドゥが死亡。ギルガメシュはやがては自らも同じ運命を免れぬと悟り、永遠の命を求めて旅立つ。
  • 不死の身をもつウトナピシュティムの元を訪ねたギルガメシュ。ウトナピシュティムは箱船を作って大洪水から逃れた功績から不死を手に入れたのであって、極めて稀な例だとギルガメシュを諭す。
  • 落胆したギルガメシュは帰路で若返りの草があることを知り、手に入れる。しかし途中の泉で水浴びをしている間に、蛇がその草を食べてしまう。ギルガメシュは涙し、やがてウルクに帰還する。

箱船にまず乗せたのは…

ギルガメシュ叙事詩のウトナピシュティムの大洪水語りは、
旧約聖書の洪水伝説「ノアの箱舟」の原型であることは明らか。
でもおや?と感じた違いが箱船に積んだもの。

私の持ち物すべてをそこへ置いた。

私の持てる銀のすべてをそこへ置いた。

私の持てる金のすべてをそこへ置いた。

私の持てる生命あるもののすべてをそこへ置いた。

私は家族や身寄の者のすべてを船に乗せた。

野の獣、野の生き物、すべての職人たちを船に乗せた。

ウトナピシュティムは船にまず全財産を乗せることからはじめており、
とにかくお金が大事という感覚が現代に似ていて興味深い。
現代と似ている話と言えばもうひとつ。

消費と快楽への誘惑

生涯の友エルキドゥを失い、命に限りがあることを悟り、
失意のうちにあるギルガメシュに、酒屋のおかみシドゥリがこう諭す。

ギルガメシュよ、あなたはどこまでさまよい行くのです。あなたの求める生命は見つかることがないでしょう。神々が人間を創られたとき、人間には死を割りふられたのです。生命は自分たちの手のうちに留めおいて。ギルガメシュよ、あなたはあなたの腹を満たしなさい。昼も夜もあなたは楽しむがよい。日ごとに饗宴を開きなさい。あなたの衣服をきれいになさい。あなたの頭を洗い、水を浴びなさい。あなたの手につかまる子供達をかわいがり、あなたの胸に抱かれた妻を喜ばせなさい。それが人間のなすべきことだからです。

古代ギリシアの哲学者エピクロスが唱えた快楽主義の原型とも言えるが、
経済成長を最善とする現代社会も似たようなものだ。
経済学用語でいえば、シドゥリの話は「消費によって効用を最大化せよ」。
そして後先考えずに借金してでも消費することが経済成長につながる。

ちなみにギルガメシュはこの誘いには乗らずに旅に出る。

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