先週17日にソニーが子会社のソニーフィナンシャルHDの株式を取得し、
保有比率が60.0%から62.1%になった。→ニュースリリースへ
※ソニーはフィナンシャルHDを2007年に上場し、保有株式の40%を手放した。
おそらくソニーは金融事業を中核としたへの業態変更を目指して、
ソニーフィナンシャルHDの完全子会社化に向かうのでは?
ソニーの当期純利益を金融事業とそれ以外に分けて推移を見てみると、
ここ数年は金融事業が安定して1,000億円以上になっている。
ソニーの金融事業の1,188億円の当期純利益(2016年3月期)が、
金融事業を営む上場企業の中でどれくらいの位置にいるかというと、
大和証券を抜き、まもなくトップ10入りという成長ぶり。
また利益を上げる子会社が完全子会社ではないと、決算書が悲しいことに…。
連結P/Lは親会社・子会社の損益を合算した当期純利益を算出した後に、
「非支配持分に帰属する当期純利益」を差し引くことになる。
たとえば株式保有比率が60%の子会社の当期純利益が1,000万円の場合、
連結P/Lの当期純利益にいったん1,000万円を計上した後に、
他の株主の持ち分400万円(1,000万円×40%)を差し引かないといけない。
ソニーの連結P/Lはこんな状態になっており、特に2015年3月期がいびつ。
損益計算書がソニーフィナンシャルHDを完全子会社化して、
金融事業を中核に事業を再編しなさいよ、と促しているように見える。
このほかに完全子会社ではなく儲かっていそうな子会社は、
- ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ
- フェリカネットワークス
かつての主力事業であるエレクトロニクス事業の損益が落ち着いている今が、
事業再編のチャンスだから、今後いろいろな動きがありそうだ。
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