正月に放送されたNHK-BSの「英雄たちの選択 新春SP」がかなり面白かった。
今年は奈良へ旅立つこともあり、メモを取りながら鑑賞した。
奈良県桜井市の纏向遺跡は前方後円墳発祥の地と言われ、
近年の発掘調査でこの国の初めての都市が誕生した地でもある可能性あり。
- 纏向遺跡ってどんな遺跡?(桜井市纒向学研究センター)
纏向石塚古墳
3世紀前半に作られた日本最古の古墳。
第二次大戦時に高射砲の陣地を添える際に上を8m近く削ってしまった。
周壕が掘られており、外と内を分ける感覚があったことがうかがえる。
古墳に見られる4要素、
- 周壕
- 葺石
- 埴輪
- 段築
のうち周壕、段築を備えている。
勝山古墳
周壕から朱塗りの板が出土。祭祀で使ったものを捨てた跡か?
この時代、一度使ったものを再利用するというイメージがない。
日本的な「けがれ」の源流か?
大型建物跡
2011年に発見された南北19.2m、現代の三階建ての建物跡。
東西を結ぶ一直線上に三つの建物が配置されていることも含め、
従来考えられていた弥生時代のレベルを超える建造物。
年代測定から宮殿が壊された時期が箸墓古墳の着工時期に近い。
王の死去に伴い宮殿が捨てられ、古墳が作られた?
箸墓古墳
日本最初の巨大古墳。卑弥呼の墓とも言われる。
全長280mで後円部5段、前方部3段の段築構造。
芯となる自然の山はなく、すべて手作業で盛られている。
「時人、其の墓を号けて、箸墓と謂ふ。是の墓は、日は人作り、夜は神作る。故、大坂山の石を運びて造る。則ち山より墓に至るまでに、人民相踵ぎて、手遞伝にして運ぶ。」(日本書紀)
古墳に使われている石材は手渡しで運ばれたと日本書紀に記録。
大坂山は大阪と奈良の境にある現在の二上山。
番組のナビゲーターである磯田道史氏は次のようにまとめる。
王に集められて命令を聞くと、王国の成員になったイメージができあがる。
西洋では「戦争が王を作った」と言われるが、
日本では「古墳が王を作った」と言えるのではないか?
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