リーマン・ショック以降、投資家にとって謎のユートピアが続いている。
こんな状況が十数年も続くと「損切りってなんだっけ?」とボケそうだ。
近年の投資の失敗と言えば、手放した後に株価が急騰する事例だろうか。
今年もそんなぁ…という事例が一件。
2017年にVRやAR、AIを描いたソードアート・オンライン(SAO)と出会い、
GPUの重要性に気が付いてNVIDIAに投資した話はこれまで紹介した通り。
そんな未来像の一環でウェスタン・デジタルにも投資していた。
サーバーの増強が必要になるからハードディスクの会社が来るはずと。
先にVRかと思っていたが、予想外に強烈なAI需要がやってきて、
このSAO由来の投資先ではNVIDIAが業績・株価ともに絶好調だったが、
ウェスタン・デジタルは業績も株価もパッとせずに低空飛行。
投資から5年近くそんな調子で、諦めて去年手放してしまったのだが…。

今年に入ってから、AIデータセンター向けのストレージ業界に、
好業績・株価急騰の流れが…(あのボロボロだったキオクシアまで…)
こんな失敗を差し引きしても、この数年は不気味なほど運用成績がいい。
もちろん円安で円換算した際の外貨建て資産が膨張したこともある。
でもそれを差し引いたとしても…。
その結果、悩みというか、後悔というか、モヤモヤに襲われている。
今になって一番刺さるのが、7年前に読んだ本に書かれていたこと。
この本で著者が主張していた「効果的な利他主義」を簡単にまとめると。
仕事で社会貢献をだとか、自らの消費行動を変えようだとか考えるより、
とにかくお金を稼いで寄付する方が、社会的効果が高いんだよという主張。
私は約10年前から投資にのめり込み過ぎないようにと、
投資に関連する社会活動としてNPOの運営を請け負ってきた。
でももしもこの10年間、本業の投資のみに注力していたら、
得られた利益を元手に数多くの社会的な活動へ寄付できたのでは?
最近そんな後悔が頭をよぎることがしばしば。
四六時中、投資のことを考えずにいい距離感が保てたからこそ、
おかしな売買をせずにすんで、投資の成績が向上したのだと考えたい。
そしてこれまでも「投資は運が半分」と公言してきたのだから、
ただ運が良かっただけと、現状をありのままに受け入れるべきだ。
まぁ難しい投資環境だった時期を思い出せば、贅沢な悩みである。


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