いわゆるホワイトカラーの仕事で生成AIの活用が広がる中、
個々の業務遂行能力に残酷なほどの格差が生まれそう。
そんな世の中の雰囲気に触れて、自分の間違えに気が付いた。
脳にチップを埋め込むなんて気持ち悪い話は進まないだろう。
そう考えていたのだが、仕事上の必要性に迫られて、
脳にチップを埋め込まざるを得ない未来が意外と早く来るのかも。
私たちが分かりやすい説明や的確な指示ができなければ、
生成AIは思うような結果を返してくれない。
これって、AI以前の仕事の力量と密接に関係していて、
- 仕事ができる人は「これは便利!」とAIを使いこなして、生産性が大きく向上し、
- 仕事ができない人は「AIなんてまだまだ使えない」と悪態をついて、底辺をさまようまま…
という近未来を想像してしまう。
そして後者は自らの考えをうまく出力できないことを補うために、
脳にチップを埋め込んで、直接読み取らざるを得なくなるのではないか。
今後の情勢によって必要とされる能力が変わるのかもしれないが、
こんな時に思い思い出すのは、マキャベリの「君主論」。
名君の法則として掲げられた3つのキーワードは、
- 運命(Fortuna/フォルトゥーナ)
- 力量(Virtu/ヴィルトゥ)
- 時代性(Necessita/ネチエシタ)
以下の引用は塩野七生「マキアヴェッリ語録」より。
「名声に輝く指導者たちの行為を詳細に検討すれば、彼らがみな、運命からは、機会しか受けなかったことに気づくであろう。・・・機会に恵まれなければ、彼らの力量もあれほど十分に発揮されなかったであろうし、また力量を持ち合わせていなければ、機会も好機にならなかったのである。」P196
「運命は変化するものである。それゆえに人間は、自分流のやり方を続けても時勢に合っている間はうまくいくが、時代の流れにそわなければ失敗するしかない、ということである。」P200
「力量に欠ける人の場合、運命は、より強くその力を発揮する。」P202
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