講演メモ「羽生善治と考えるAI時代の勝ち筋」

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セールスフォース主催のイベントに羽生善治さんが出演していた。
2018年の無冠転落以降、考えに触れる機会が減ってしまったので嬉しい。

羽生さんの講演での発言を以下にざっとまとめるが、
AIによって棋士の美意識が変化してきた、という言及が気になった。

「人工知能の核心」(2016年のNHKスペシャルを書籍化)では、
美意識を持つ人間と持たないAIを対比することで、
人間の知性とは?という問いを探求しようという姿勢が伺えた。

この当時からおよそ10年。
AIは人間の美意識とは別次元の存在と捉えられていたものが、
美意識に影響を与える存在になってきたというこということかな。

AIが将棋界にもたらした変化

  • 2000年代初頭に認知科学の専門家から、ハードウェアの進歩だけでAIが人間を超える日が来ると聞き、将棋ソフトの進化を意識し始めた。
  • 当初はどのような形で進化するかは予測できなかったが、特にAlphaZeroがわずか2時間の学習で最強の将棋ソフトを破ったことで、テクノロジーの進歩の速さを実感した。
  • 将棋ソフトがオープンソース化されたことで、多くの棋士がAIを研究に取り入れるようになり、将棋界全体のレベルアップにつながった。
  • かつては「筋が悪い」とされていた手がAIによって再評価され、人間の美意識や感覚自体も変化してきている

AI時代における人間の役割

  • AIは確率論で考え、可能性の低い手は深掘りしない。でも人間はそこに大きな可能性を見出し、創造性を発揮することができる。
  • 次の一手を決める際には、AIが示す最善手を選ぶだけでなく、その手が一貫性を持っているか、自分のスタイルに合っているか、そしてその後の局面を人間が指しこなせるかといった実現可能性も考慮に入れることが大事。

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