三田誠広「西行 月に恋する」

この記事は約2分で読めます。

昨春、桜と日本をテーマに書いたけど、調べ初めが遅く、時期がズレた。
→ 関連記事 桜と日本(10/04/01)、桜と日本・2(10/05/05)
今年は早めに調べはじめようと、まずは西行の本を読みあさることにした。

平安末期に200首近い桜の歌を残した西行が、
現代に通ずる、日本人の桜に対するイメージの原型が作ったのでは?
というところで、私の短い「桜と日本」シリーズは止まってるから。

と言いながら、いきなり脱線して読んでしまったのが、この歴史小説。
私は「月」が好きだから、副題の「月に恋する」にやられちゃったのだ。
ちなみに百人一首に残されている西行の和歌は月の歌なんだよ。
嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな

でもこの本のおかげで、西行の生きた時代についてつかむことができた。
特に後半部分がおもしろく、藤原璋子(待賢門院璋子)に恋をした西行が、
璋子の子供、崇徳上皇と後白河天皇の対立(保元の乱・1156年)
を止めようと奔走する設定のおかげで、西行の時代背景がよく分かった。

なお、著者のあとがきもまた、興味深い。
わたしは平安末期というこの時代を偏愛している。恋愛がそのまま政治に直結し、歴史が動き、戦争さえ引き起こす。これほどドラマに満ちた時代はほかにはないと思われる。」(P286)

恋愛や女性を中心に、日本史を見つめ直すと、きっと面白いだろうなぁ。。。
桜を調べるつもりだったのに、なんだか思いっきり脱線しそうな予感。

[amazonjs asin=”B00LQ5IU3W” locale=”JP” title=”西行 月に恋する”]

コメント