どのような未来がやってくるのか?
今の私たちが何を望み、何を願うのかによって、
導かれる未来も変わっていくものなのだと思う。
人々の欲求が高い分野は自然とレベルが上がるものだから。
そして高い欲求を持った地域が世界を牽引することになる。
肥沃な土壌から美味しい作物が収穫できるように、
感度の高い場から優れた製品やサービスは生まれるものだから。
私たちの日本が今、曲がりなりにも豊かな国なのはなぜか?
伝統的に高い美意識と文化への強い欲望があったから、
この国には感受性に満ちた環境が形成されているのでは?
ちひさきものはみなうつくし。
清少納言が美的感覚を一言でまとめたように、
- 中国から伝来した「うちわ」を「扇子」に革新
- わずかな文字数に世界観を凝縮した「和歌」や「俳句」
- 「仏壇」は「寺院」を縮小した浄土へのどこでもドア
- 景観美を手のひらサイズにした「箱庭」や「盆栽」
といったコンパクト化へのこだわりが、
日本が20世紀の技術小型化の波に乗った背景にあった。
かつて世界を席巻したウォークマンが良い例だ。
お客さまは神様。
「主=神」と固定した一神教とは違い、
多神教の日本では神様は時々やってくる客人だ。
だから客を招くための作法が発達し(※茶道の一期一会など)、
今や「おもてなしの心」は日本のサービスを代表する言葉だ。
これらの例はおそらくほんの一部だろうが、
現在の繁栄と伝統的な美意識はどこかでつながっている。
でも今、文化に対する美意識が下がってはいないだろうか?
文化は言語とセットだから、英語の波に飲まれかけている?
今の日本はなんだか歌を忘れたカナリア状態だ。
今後の日本はおそらく貿易と観光で稼いでいくだろうから、
もし美意識を失えば、国際的な存在価値も失うだろう。
だから日本の伝統美に触れ、感動することで、
心の底に眠っている美しいものへの欲望を呼び覚ます。
そして私が日本を楽しんでいる姿を見せびらかして、
なんか面白そうだぞ…と興味を持ってくれる人を増やす!
今さら新年に目標として掲げるまでもないけど、
さらに気合い入れるぞ!ってな調子で今年のブログ開演♪
【新年によせてシリーズ/2012年~】
- アイデアや幸運の神様を迎えるために(2014)
- 英知を求める変人の森(2013)
- 紀貫之、日本語を創った和魂漢才の文芸人(2012)
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