リクルートワークス研究所の調査によると、
2015年3月卒の求人倍率は1.61倍になったのだとか。
- 第31回 ワークス大卒求人倍率調査(2015年卒)
1.3倍未満だと就職氷河期と呼ばれるイメージがあるから、
新卒採用にも明るい兆しが見えてきているんだね。
最近こんな論文を見つけた。
- 溶けない氷河(日本労働研究雑誌2007年12月号)
卒業時の好不況がその後の人生にどう影響するか?
1997年から10年間の論文がシンプルにまとめられている。
不況期に卒業した世代は、
- ほかの世代に比べて一時的に年収が低くなるが、
- 高学歴層については長い目で見れば差はなくなる。
- 正社員に就いても、後に離職する確率が高い。
というような研究結果が見て取れる。
離職率の高いのは希望する仕事に就けなかったから、
と指摘されているけど、このへんは心の持ちようだろう。
そもそも学生時代は社会に対する視野は極めて狭く、
特定の「職」にこだわるのは思い違いにすぎないから。
就職氷河期の世代だからといって気落ちすることはない。
2001年卒の私から、20代前半の方へメッセージを少々。
1975~78年生まれの2000年前後に大学を卒業した世代は、
新卒採用が最も厳しかった時期で「超」氷河期とも称される。
でもとくにIT企業の創業者にこの世代が多く、
- 有名企業への就職、という選択肢がなかった
- 2000年前後はアメリカでITバブルだった
ことが原因ではないかと思われる。
パッと思いつく代表的な人を並べてみると、
- 1975年生…近藤淳也(はてな)、笠原健治(mixi)
- 1976年生…西村博之(2ちゃんねる)
- 1977年生…田中良和(Gree)、猪子寿之(チームラボ)
- 1978年生…家入一真(paperboy&co.)、内藤裕紀(ドリコム)
身近な同級生も有名企業に務めている人は皆無で、
中小企業の社長や弁護士事務所を開業という感じ。
そして私自身も本業が謎だけど、自由に楽しく生きてるよ。
今振り返れば、もしサラリーマンだったら金銭的にも大損だった。
こうして考えると就職氷河期との出会いは不運というよりも幸運。
若いうちに自分で人生をデザインする必要性に迫られてよかった。
大きな組織に所属できたら、安心して依存してしまうものだから。
つまりよく言われるように危機の時こそチャンス!ってこと。
でも人生運次第だから、挑戦してもうまくいかないこともある。
だから卒業年度による世代間の格差という問題よりも、
同世代の中での格差が大きくなってる可能性があるのでは?
まぁ人の人生にとって何が幸運で何が不運だったのかは、
死んだ後に評価されることだから本人には分からないけどね。
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