江戸時代の啓蒙書「養生訓」。
貝原益軒(1630-1714)が83歳の時に著したものだ。
「人生五十にいたらざれば、血気いまだ定まらず。知恵いまだ開けず、古今にうとくして、世変になれず。言あやまり多く、行悔多し。人生の理も楽もいまだしらず。五十にいたらずして死するを夭と云。」
人生の道理や楽しみが分かるのは50歳以降だから、
若いうちから養生に気を配り、長寿を目指せと著者は説く。
そんな著者の考える人生の楽しみとは、
「およそ人の楽しむべき事三あり。一には身に道を行ひ、ひが事なくして善を楽しむにあり。二には身に病なくして、快く楽むにあり。三には命ながくして、久しくたのしむにあり。富貴にしても此三の楽なければ、真の楽なし。」
- 善い行いをして、人生を楽しむこと
- 無病息災で、人生を快く楽しむこと
- 長生きをして、人生をめいっぱい楽しむこと
この3つはいかなる富や名声よりも尊い。
実にシンプルで当たり前のこと、と思ってしまうけど、
富や名声を求めてしまいがちなのが、私たち人間というもの。
「世に富貴・財禄をむさぼりて、人にへつらひ、仏神にいのり求むる人多し。されども、そのしるしなし。無病長生を求めて、養生をつつしみ、身をたもたんとする人はまれなり。富貴・財禄は外にあり。求めても天命なければ得がたし。無病長生は我にあり、もとむれば得やすし。得がたきことを求めて、得やすきことを求めざるはなんぞや。愚なるかな。たとひ財禄を求め得ても、多病にして短命なれば、用なし。」
富や名声は「外」にあり、健康は「内」なるもの。
「外」側は運次第だが、「内」側は自分次第で得ることもできる。
たとえ富や名声を手に入れても、病弱で短命だったら意味がない。
人生は健康であってこそ楽しむことができるもの。
そして健康に気をつけ長生きをして、
四季の移ろいとワールドカップを数多く楽しみたい♪
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