資本主義ってそもそも何ぞ?

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金融危機や環境問題に絡めて「資本主義の終焉」を謳う本が多いが、
それを取って代わる未来像を示しているものは皆無と言えるし、
それぞれの著者の資本主義のイメージがバラバラで混乱する。

資本主義って言葉を割と簡単に使うけど、そもそも何だっけ?

分からなくなったら、とりあえず高校生まで戻ってみる。

「人間が生きていくためには、さまざまな財やサービスが必要である。その財やサービスの生産から流通、消費に至る一連の活動が経済活動である。生産に必要な資源や労働力は無限にあるわけではない。限られた生産要素を用いて、いかに自分たちの欲求を最も効率よく満たすかということが、経済の大きな問題である。・・・こうした問題の解決を人々の自由な判断に任せ、その調整を市場に委ねるのが資本主義経済であり、政府が計画を立て指令するのが社会主義経済である。」(シグマベスト 理解しやすい政治・経済)

結局のところ私たちは「資本主義とは何か?」と考えるとき、
未だに社会主義との対比からしか説明できないのだろうか。

そしてその社会主義が独裁政権の元でしか成り立たない、
中世社会と変わらぬ仕組みだと幻滅された後は、
資本主義は近現代社会の根幹をなす仕組みとなった。
ゆえに比較対象を失い、明確には語り得ぬものになったのか?

こうした中で「地球にやさしい」社会の実現を訴え、
「資本主義の終焉」を語ることは、それはすなわち、
文明の崩壊を賛美し、自らの存在をも否定しているような…。

実際「ディープ・エコロジー」を提唱し、
20世紀後半の環境保護活動に影響を与えたと言われる、
ノルウェーの哲学者アルネ・ネスはこう語っている。

「ディープ・エコロジーには、人口を持続可能な最低限度にまで減少させるという目標があります。百年前にあった文化の多様性を有するには、せいぜい10億ぐらいの人口がいいでしょう。さまざまな動植物の保存が必要なように、さまざまな人間文化の保存も必要です。」

こんな風にとても受け容れられない話になってしまうわけで。
あやふやな時は高校の教材に立ち返って考え直すようにしないとね。

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