就職氷河期の光と影(2001年3月卒の立場から)

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リクルートワークス研究所の調査によると、

2015年3月卒の求人倍率は1.61倍になったのだとか。

1.3倍未満だと就職氷河期と呼ばれるイメージがあるから、

新卒採用にも明るい兆しが見えてきているんだね。

大卒求人倍率推移

最近こんな論文を見つけた。

卒業時の好不況がその後の人生にどう影響するか?

1997年から10年間の論文がシンプルにまとめられている。

不況期に卒業した世代は、

  • ほかの世代に比べて一時的に年収が低くなるが、
  • 高学歴層については長い目で見れば差はなくなる。
  • 正社員に就いても、後に離職する確率が高い。

というような研究結果が見て取れる。

離職率の高いのは希望する仕事に就けなかったから、

と指摘されているけど、このへんは心の持ちようだろう。

そもそも学生時代は社会に対する視野は極めて狭く、

特定の「職」にこだわるのは思い違いにすぎないから。

就職氷河期の世代だからといって気落ちすることはない。

2001年卒の私から、20代前半の方へメッセージを少々。

1975~78年生まれの2000年前後に大学を卒業した世代は、

新卒採用が最も厳しかった時期で「超」氷河期とも称される。

でもとくにIT企業の創業者にこの世代が多く、

  • 有名企業への就職、という選択肢がなかった
  • 2000年前後はアメリカでITバブルだった

ことが原因ではないかと思われる。

パッと思いつく代表的な人を並べてみると、

  • 1975年生…近藤淳也(はてな)、笠原健治(mixi)
  • 1976年生…西村博之(2ちゃんねる)
  • 1977年生…田中良和(Gree)、猪子寿之(チームラボ)
  • 1978年生…家入一真(paperboy&co.)、内藤裕紀(ドリコム)

身近な同級生も有名企業に務めている人は皆無で、

中小企業の社長や弁護士事務所を開業という感じ。

そして私自身も本業が謎だけど、自由に楽しく生きてるよ。

今振り返れば、もしサラリーマンだったら金銭的にも大損だった。

こうして考えると就職氷河期との出会いは不運というよりも幸運。

若いうちに自分で人生をデザインする必要性に迫られてよかった。

大きな組織に所属できたら、安心して依存してしまうものだから。

つまりよく言われるように危機の時こそチャンス!ってこと。

でも人生運次第だから、挑戦してもうまくいかないこともある。

だから卒業年度による世代間の格差という問題よりも、

同世代の中での格差が大きくなってる可能性があるのでは?

まぁ人の人生にとって何が幸運で何が不運だったのかは、

死んだ後に評価されることだから本人には分からないけどね。

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