資本市場を有機的に理解する。マネーの進化史、適応的市場仮説。

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なんとなく並べて眺めたいなと思った2冊の本の記述。
多くの投資家の意思や判断が投じられる資本市場は、
ある種の命をもった生物のように感じられることが多々ある。
でも頭の整理をしたことがなかったので、まずはここから。

ニーアル・ファーガソン「マネーの進化史」

ニーアル・ファーガソンは歴史学者の中ではおそらく異端の存在。
歴史を理解するために、史料を再構成し「歴史のif」を検証する。
「もし本能寺で信長が倒れなかったら…」みたいなアレ。

本書ではその手法にはお目にかかれなかったが、
終章で披露した金融・経済史と生物学的な見方を、
重ね合わせる話はとても興味深く、もっと深掘りして欲しかった。

金融業界と本物の進化システムに共通する特徴

  1. 私たちは常に合理的なわけでも常に非合理的なわけでもない。私たちは進化の力によって特徴や行動が形作られる生物学的存在である。

  2. 私たちの行動にはバイアスがあり、私たちは一見すると最適でない意思決定も行うが、過去の経験に学び、否定的なフィードバックに応じてヒューリスティックスを見直すことができる。

  3. 私たちには、先を見据えた「もし~なら」分析をはじめとする抽象的思考、過去の経験にもとづいた未来予測、環境の変化に対応する準備を行う能力がある。これは思考の速さで進む進化であり、生物学的な進化とは異なるが、まったく別物というわけではない。

  4. 金融市場のダイナミクスは、私たちが行動や学習を行い、周囲の人々や社会、文化、政治、経済、自然のに適応する際の相互作用によって形成されるものである。

  5. 生存こそが競争、革新、適応を促す究極の原働力である。

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アンドリュー・ロー「適応的市場仮説」

アンドリュー・ローは、市場はランダム・ウォークではない、という研究が認められ、
1990年に29歳にしてMITの終身教授に着任した人物。

その後、効率的市場仮説“Efficient Market Hypothesis”を打ち破るべく、
適応的市場仮説“Adaptive Market Hypothesis”を提唱し、研究を続けている。

適応的市場仮説は、脳科学、進化生物学、ネットワーク理論など、
近年発展した分野を総動員した、興味深いファイナンス理論なので、
本書はぜひとも目を通しておきたい一冊。

適応的市場仮説の5つの重要原理

  1. 私たちは常に合理的なわけでも常に非合理的なわけでもない。私たちは進化の力によって特徴や行動が形作られる生物学的存在である。

  2. 私たちの行動にはバイアスがあり、私たちは一見すると最適でない意思決定も行うが、過去の経験に学び、否定的なフィードバックに応じてヒューリスティックスを見直すことができる。

  3. 私たちには、先を見据えた「もし~なら」分析をはじめとする抽象的思考、過去の経験にもとづいた未来予測、環境の変化に対応する準備を行う能力がある。これは思考の速さで進む進化であり、生物学的な進化とは異なるが、まったく別物というわけではない。

  4. 金融市場のダイナミクスは、私たちが行動や学習を行い、周囲の人々や社会、文化、政治、経済、自然のに適応する際の相互作用によって形成されるものである。

  5. 生存こそが競争、革新、適応を促す究極の原働力である。

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