経産牛を食べる。フランスでは当たり前。日本ではサステナブル?

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最近、レストランの肉料理に「経産牛」が提供されることが増えてきた。
経産牛とは出産を経験した雌牛のこと。

たくさん子供を産んだ牛は、やせ細って肉量が獲れないため、
加工品にしかできないからと、日本では価値がないものとされてきた。
それが最近のSDGsブームに後押しされて、
日本でも経産牛を再飼育した牛肉が市場に出回るようになっている。

でも海外に目を向けると、フランスでは以前より経産牛が人気
5~6回出産した牛肉を熟成させたものが、好評価を受けている。

だから日本では経産牛を食べることがサステナブルかもしれないが、
海外から見ると、今までそんなもったいないことをしていたの?と、
批判されてもおかしくないような食文化だったと言える。

先日、お客さんの半分以上が外国人(観光客?)レストランで、
メニュー表に「サステナビリティ牛」と記載があり、経産牛が出てきた。
「サステナビリティ牛=経産牛」という説明を受けたが、
海外の方にも同じ説明をしたのだろうか?(英語だから分からなかったが)

世界的にはサステナブル牛と言えば、低炭素畜産という方向ではないのか?

以前、農畜産物流通コンサルタントの山本謙治氏の講演会で紹介されていた、
畜産における温室効果ガス削減の方法としては、

  • 牛の消化管発酵からメタン抑制(不飽和脂肪酸カルシウムを給餌に)
  • 牛の糞尿から亜酸化窒素抑制(アミノ酸バランス飼料の給餌に)
  • そもそも温室効果ガス発生の少ない牛育種(メタン排出量の少ない牛を選抜)
  • バイオガスプラントにおける糞尿の発酵
  • 草地飼料生産への堆肥利用(糞尿を作物へ変換することで窒素消費)

また日本では畜産における環境排出は欧米と比べて少ないが、
それは牛肉摂取量が少ないだけで、削減の取り組みは欧米に比べて遅れている。

「サステナブル」とか「SDGs」を掲げられることが増えてきたが、
上記の経産牛のように国内だけ見ていると変なことになったり、
技術がどんどん進んで、気が付いたら時代遅れになっていたり…。
流行のキーワードでPRするのは危険だなぁ、と実感させられるのだった。

経産牛関連の参考サイト

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