世界一のレストラン「Noma」閉店の裏には労働問題?

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The World’s 50 Best Restaurantsで幾度も世界一となり、
ミシュランガイドでも三つ星を獲得している、
デンマークの「Noma」が2024年に閉店するという。

閉店後は「フードラボ」へ事業転換する、
というニュースを年始に目にした時に感じたことは、

売上 = 客数 × 客単価 × 営業日数

という数式に縛られるレストラン経営の限界。

  • 労働環境の面から営業日数を増やすことは不可能。
  • 客数を増やすために店を広くすれば、家賃負担が大きくなり、従業員も増やす必要性も出てくる。物価上昇の局面ではとりづらい選択肢。
  • となると売上を伸ばすには、客単価を上げる以外の選択肢はない。でもそうすると、客数に影響が出るのでは?

こう考えていくと、なかなか厳しいものがある。

こうした限界を超えるために、一定の名声を獲得したシェフが、
レストラン経営をやめ、食の研究のみに切り替えるのはありだなと。
冷凍技術も向上しているので冷凍食品のウェブ販売や、
たまに期間限定でレストランを開いたりするのかなと。

でも閉店の裏側は、こうしたステップアップだけではないようだ。
これまで無給の研修生による労働が店の経営を支えており、
昨年秋から給与の支払いを開始したところ、
持続不可能になったという側面もあったらしい

超・有名店で働いていたことを経歴に記載すれば、
将来自分がお店を持ったときに…と無給を受け入れてしまう。
たしかにそういう文化はありそうだよね。

過剰な品質を追求すると、必ずどこかで無理が生じているという教訓か、
はたまた世界一でこの状況では、高級レストランのあり方に問題があるのか。
なかなか考えさせられる事例だ。

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