これから10年単位の長い目で見たとき、昨今の国際秩序の変化が、
株式投資にどのような影響を与えるのか?
今の時点でこんな感じかな?と考えていることをまとめてみた。
世界の経済成長率の低下
世界の経済成長率を押し上げる要因の一つとして、
全世界の資源や労働力をなんの障壁もなく使って、
付加価値を生み出すことができる、というものがあると思う。
しかし米中対立やロシアへの経済制裁等でこの土台が揺らいでいる。
またロシアのウクライナ侵攻前に強い態度に出られなかった要因でもあるが、
「脱炭素」を進めることで生じる歪みが経済成長率を押し下げそうだ。
とくに「脱炭素インフレ」は従来の金融政策では制御不能なのでは?
だからといって取り組みを止めることもできない。
世界全体で見た場合、株式の時価総額がGDPを大きく乖離することはない。
全世界株インデックスへの投資リターンは、これまでよりも低くなるかもしれない。
※2021年以降の時価総額の乖離が極めて大きく、警戒が必要な水準。
基軸通貨ドルの地位に暗雲
ロシアへの経済制裁で「SWIFT」からの排除というのがあったが、
あれはドルが基軸通貨だからこそ効果があるもののはず。
そしてアメリカの非友好国からすれば、この手の金融制裁に備えて、
外貨準備運用を見直すきっかけになるのでは?
世界の外貨準備の通貨別保有比率を見ると、
ドルの割合は徐々に低下してきている。
71.0%(1999年) → 58.8%(2021年)
決済通貨として自国通貨に代えずにドルのまま保有しているなら、
余裕あるお金で株式へ投資にする、という投資行動もあったのでは?
また世界の余剰資金がアメリカに集まるのはドルが基軸通貨だからでは?
そしてこれがアメリカ株式の突出した投資リターンの土台の一つなのでは?
ドルの行方を注意深く観察する必要がある。
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