BRICsという言葉が流行した2000年代前半からこの十数年、
新興国を投資対象としてまったく考えてこなかった。
それは次のような疑問があったから。
- 新興国がやがて先進国へ発展するという考え方は正しいのか? 国の発展モデルを単純化しすぎでは?
- 先進国の大企業が新興国の経済成長の恩恵を受け、新興国の自国企業の成長の足かせにならないのか?
たぶんイマニュエル・ウォーラーステインの「世界システム論」の考え方に近い。
大航海時代以降の世界は、世界的な分業体制で経済が成り立っており、
世界を国単位で見るのではなく、大きく2つの地域に分ける考え方。
- 中核…世界的な分業体制から多くの利益を吸収できる地域
- 周辺…食料や原材料の生産に特化させられ「中核」に従属させられる地域
そして中核・周辺の関係ができあがってしまうと、数十年の単位で関係が固定される。
でもいったん中核と周辺の仕分けがなされたら、そのままという訳でもない。
「世界の工場」として周辺を担った中国が、IT分野への巨額の投資を経て、
いよいよ中核に乗り出そうとして、米中貿易摩擦が起きているのが良い例だ。
なんとなくだけど、中核・周辺の関係性を打破するポイントは、
国民1人あたりの所得がどれだけ豊かになるかにかかっているような気がする。
「ファクトフルネス」の著者、ハンス・ロスリングが設立した
ギャップマインダー財団のウェブサイトでは、様々な統計データが無償で提供されていて、
これをいじっているだけで、一日中あそべてしまう!
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