所得格差の解消は世界大戦や国家崩壊がセット?!

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最近一人歩きするキーワード「新しい資本主義」。

格差や不平等を解消するために分配を重視することを強調しているのだろうか。
社会主義的な資本主義という意味なのか、詳しいことはよく分からない。

ただ丁寧に歴史や統計を振り返ると、
格差縮小と貧困撲滅は切り分けて考える必要があるのは確かだ。
以前、道徳哲学の観点から斬った本を紹介したこともあるが、

より分かりやすいのは、スティーブン・ピンカー21世紀の啓蒙

歴史上、所得分布の平準化は二度の世界大戦によってのみ起きた。

「戦争は富を生む資本を破壊し、インフレによって債務を帳消しにし、富裕層に高い税率をのませ、その分を政府が軍人と軍需産業労働者に再分配し、その結果それ以外の分野の労働需要が増大し、格差縮小につながる。」(上巻・P203)

格差の解消より貧困率の減少に目を向けるべきと説き、

「不平等は貧困とは別のもので、人類の繁栄を左右する基本要素ではない。各国の幸福を比較してみれば、富の総量のほうが格差問題より重要だとすぐにわかる。格差の拡大が常に悪とは限らない。どの社会も普遍的貧困から抜け出すときには格差が広がるものだし、ある社会が新たな富の源を見つけたときも同じように不平等は急上昇する。また格差の縮小が常に善とも限らない。所得格差を最も効率よく縮めるのは、疫病、大戦争、破壊的革命、そして国家崩壊なのだから。」(上巻・P226)

つまり格差や不平等の解消を訴えるということは、
裏返すと「みんなで貧しくなりましょう!」という主張になる? 
でも令和版・所得倍増計画みたいな話もあったような…。

歳を重ねると見えてくるものがある一方で、
経済政策の話題は、いくつになっても難しくてよく分からぬ。

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