西山圭太、松尾豊、小林慶一郎「相対化する知性」の中で、
現在「人工知能」が語られる際に、
- 昔ながらのITまたはAI
- ディープラーニング
がゴチャゴチャに認識されていることが問題視されている。
(例;ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス」)
こうした情報に惑わされないためのまとめが分かりやすいのでメモ。
「ディープラーニングこそが第3次人工知能ブームの技術的な根幹であるのだが、社会全体で段階1、段階2すらクリアしていないことが多いため、「人工知能」という名前で、段階1や段階2のことが指されることが多いという構造をしているのである。少なくとも、産業的に、そして学術的に、イノベーションの果実を得ようというのであれば、きちんと段階3に投資すべきである。世界中で熾烈な競争が行われており、短期で急がなければならない戦いである。そして段階lや段階2の話は、今回の人工知能ブームとは関係なく、ずっと以前から重要であったわけだから、長期的にじっくりと社会全体で投資していくべき話である。この二つの話が「人工知能」という同じ顔をして語られている。」
段階1 プログラム 1950年代~
コンピューターを使ってプログラムを書き、動かすということ自体がすごい。
- コンピュータを活用した弾道の計算や暗号の解読等
- 第1次AIブーム(推論・探索)1956~1960年代
- 第2次AIブーム(知識表現・エキスパートシステム)1980年代
- 電子機器、ワープロやパソコンの誕生。
段階2 プログラム+データ 1990年代~
コンピューターを使ってプログラムを書き、大量のデータを処理できる。
- 機械学習、自然言語処理、データベースの技術を使った検索・オススメ等
- インターネット企業の躍進
段階3 プログラム+データ+深い階層 2010年代~
コンピューターを使ってプログラムを書き、大量のデータを処理し、
深い階層を持った関数を用いることで、特徴量の学習を行うことができる。
- ディープラーニング(特徴表現学習)
- 第3次AIブーム(機械学習)
段階3-a 画像認識 2012年~
画像認識の向上による顔認証、医療の画像診断、自動運転等の技術
段階3-b 画像認識+身体性 2014年~
環境に適応できるようになり(身体性)、ロボットによる認識・制御が可能に
段階3-c 画像認識+身体性+知識表現・推論 2020年~
言語の意味理解や知識処理などの技術
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