乱立する人工知能の話題をどのように仕分けすべきか?
先日は「ボトムアップ型とトップダウン型」という見方を学んだ。
松尾豊「人工知能は人間を超えるか」を読み直してみると、
これも分かりやすい仕分け方だなぁというものがあったのでメモ。
人工知能を入力によって出力が変わるエージェントと捉える
入力によって出力が変わる「エージェント」(ソフトウェアのプログラム)
として人工知能を捉えて、以下の四段階にまとめたものが分かりやすい。
〈レベル1〉単純な制御プログラム
マーケティング的に「人工知能」「AI」と名乗っており、
実際には「制御工学」や「システム工学」にすぎないもの。
たとえばごく単純な制御プログラムを搭載しているだけの家電製品に
「人工知能搭載」などとうたっているものが該当する。
〈レベル2〉古典的な人工知能
推論・探索を行っていたり、知識ベースを入れられる等、
入力と出力を関係づける方法が洗練されていることで、
入力と出力の組み合わせの数が多い(=振る舞いが多彩)もの。
将棋のプログラムや掃除ロボット、質問に答える人工知能が該当する。
〈レベル3〉機械学習を取り入れた人工知能
ビッグデータをもとに自動的に判断したりするもの。
推論の仕組みや知識ベースが、データをもとに学習されているもので、
機械学習のアルゴリズムが利用される場合が多い。
最近の人工知能というと、このレベル3のものを指すことが多い。
※機械学習…サンプルとなるデータをもとにルールや知識を自ら学習するもの
〈レベル4〉ディープラーニングを取り入れた人工知能
機械学習をする際のデータを表すために使われる変数自体を学習するもの。
いわゆるディープラーニングがこれに該当する。
松尾氏の講演動画
近年ブームに乗って、人工知能関連の書籍が多数出版されたが、
技術的な話を含め、結局この本が一番信用できる名著だとあらためて感じた。
松尾氏の講演動画は多数アップロードされているので、
本を読むのがめんどうな人は、それを視聴するのもいいだろう。
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