今日発売の週刊エコノミスト2019年4月23日号に掲載のコメントで、
「用途に応じて、インデックスとアクティブを使い分ければいい。」
という部分について、もっと語りたいので補足。
インデックス投資とアクティブ投資の使い分け
まず資産形成の土台はインデックスファンドの積立投資で。
そして個々の社会的立場や関心、将来の目標に応じて、
アクティブファンドや個別株への投資に広げていく。
というのが投資を人生に生かす最善の道だと考えている。
ではどのような場合にアクティブ投資が有効なのか?
投資を通じて得た知識・経験をお金に変えられるか?
アクティブ投資に手を広げるかどうかの判断材料として、
- 投資を通じて得た知識等をお金に変えられるかどうか?
- またそのような可能性のある人生を目指しているか?
が結構重要なポイントなのではないかと考えている。
アクティブ投資でいいことだらけの我が人生
私は大学生の時にいきなり個別株投資(単元未満株)からはじめた。
就職氷河期にぶつかり、大学卒業後、まともに仕事に就けなかったが、
投資で会計を学んだおかげで、20代半ばで税理士事務所で職を得た。
このほか投資がきっかけで学んだことが次々とお金に変わり、
投資から派生した所得は何千万円にもなるだろう。
もちろん金銭的なリターンだけではない。
個別株投資を追求する中で、社会性を意識した投資に関心を持ち、
河口真理子さん(大和総研)や鎌田恭幸さん(鎌倉投信)に出会ったことが、
ま・さ・か!の結婚につながる。37歳まで彼女なしで結婚とか奇跡だよ。
かなり特殊な例だと思うが、こんな人生を歩んでしまうと、
インデックスファンドの積立投資でほったらかし、ではなく、
より深く投資に関わり、知識や経験を得ることを勧めたくなるのだ。
経営判断に有益なアクティブ投資
ただ最近、地元の自営業のみなさんとの交流の中で、
- 企業分析をして投資先を選ぶ行為は、経営判断に通ずるところがあるので学びたい。
- 投資で得られた知識をビジネスに生かすこともできると考えれば、インデックス投資では物足りない。
との声があった。(→その際のご意見をまとめた記事)
様々な業界のビジネスモデルを知ることが経営判断に役立つから、
アクティブ投資に取り組むことを経済や経営を学ぶ機会と捉えるわけだ。
- 将来的に独立・起業を考えている方
- 経営コンサルタント的な仕事をしている方
- 企業内で幹部候補生となっている方
といったタイプの方は、インデックス投資で立ち止まるべきではない。
仮にアクティブファンドや個別株投資でインデックスに負けたとしても、
そんなことはどうでもよくなるほどの恩恵を手にすることになるだろう。
ノブレス・オブリージュとしてのアクティブ投資
ノブレス・オブリージュ(フランス語:noblesse oblige)
直訳すると「高貴さは(義務を)強制する」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指す。(Wikipediaより)
投資は未来に対して一票を投じるような行為とも言えるが、
その投票権はすべての人に平等に与えられているわけではない。
投資に回せる余裕がある時点で、何らかの社会的な責任があるのでは?
私自身がこのことを考えはじめたのは、投資をはじめて8年経った時。
こんな記事を書いた頃だったと思う。
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あなたのお金が誰かの命を奪うかもしれない(08/06/11)
だから投資をはじめてしばらくは、ここまで考える必要はない。
個々の企業の事業内容には無関心のまま市場全体に投資することで、
あなた自身の投資リスクは軽減され、効率的にリターンを手にするだろう。
だがそのリスクが社会全体に転嫁され、いつか自分に返ってくるのでは?
だから巨大な証券市場の中では、塵のような小額の資金であっても、
より良い未来をもたらすビジネスは何か?を考え続ける投資家でありたい。
また説得力がなくならないよう、そこそこの投資リターンをあげ続けたい。
このような論点があることも頭の隅に置いていただけるとこれ幸い。
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