宮本武蔵の「五輪書」には不思議な魅力がある。
もちろん剣の道(兵法の道)を念頭に書かれているが、
読み手の視点によって、形を変えて心に飛び込んでくる。
ビジネス書として受け止める人もいるだろうし、
私にとっては投資の心得がてんこ盛りに読めてしまう。
(サッカーで相手をドリブルで抜こうとする時にも)
武蔵は特に「拍子」すなわち「タイミング」の大切さを説き、
- 物事が「さかゆる拍子」と「おとろふる拍子」を見極め、
- 「あたる拍子」「間の拍子」「背く拍子」を踏まえて、
- 「知恵の拍子」から生まれる「空の拍子」を手にする。
あとは縁のあたりを打てば、どんな瀬戸際も乗り越えられる!
これはまさに投資の極意だ。
そしてこの極意に近づくための9ヶ条が、
「拍子」について説かれたすぐ後に示されている。
- よこしまになき事をおもふ所
- 道の鍛錬する所
- 諸芸にさはる所
- 諸職の道を知る事
- 物毎の損得をわきまゆる事
- 諸事目利を仕覚ゆる事
- 目に見えぬ所をさとつてしる事
- わづかなる事にも気を付くる事
- 役にたゝぬ事をせざる事
武蔵が残した箇条書きの教えには、
「兵法三十五箇条」や21ヶ条の「独立道」もある。
でもこの9ヶ条の方がすっきりまとまっていて、
いつの時代にも通じる普遍的な内容になっている。
多くの文芸や職能の道を知り、広い視野に立って、
あらゆることの真実を見極める力を養おう!
コメント
九つの教え、二十一箇条と比べたご意見、私も同感です。
生まれは1944年
二十一箇条を40-50年も続ければ身も何もボロボロになり、
幸せな孤独に浸れます。
不思議に魂まではボロボロに成らず鉄に漆を塗り、それを
焼いたような自分に成れます。
何事も実践からとつくづく感じます。実践。
何れの道にも別れを悲しまず。