料理に砂糖を使わないようにしている。
かつて北大路魯山人が、
「砂糖は劣食品を瞞着する秘密を持っている。」
と言ったように(瞞着[まんちゃく]とはごまかすこと)、
砂糖や油が多めの料理は貧しかった時代に見栄を張るのが目的で、
本来の美味を追求する上で必要のないものだから。
甘みを出したければ、みりんを使えば十分。
砂糖よりも甘さはやわらかく上に照りも出て一石二鳥。
引き続き、川北稔「世界システム論講義」を読んでいて、
砂糖にまつわるおもしろい話を見つけた。
紅茶に砂糖を入れる習慣は18世紀のイギリスに始まったもので、
「われわれイギリス人は、世界の商業・金融上、きわめて有利な地位にいるために、地球の東の端からもち込まれた茶に、西の端のカリブ海からもたらされる砂糖を入れて飲むとしても、なお、国産のビールより安上がりになっているのだ。」
なんて言葉が残されているのだとか。
つまり当時、世界貿易の頂点の地位にいたイギリスが、
無数のアフリカ人奴隷やアジアの貧しい農民たちから搾取し、
安く手に入れた茶と砂糖を組み合わせて自慢したということ。
歴史を知ると紅茶に砂糖を入れるのは下品な行為なのかも。
私はもともと砂糖なんて入れて飲まないけどね。
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