著名な個人投資家、ろくすけさんが出版された本をいただいた。
「大暴落の夜に長期投資家が考えていること」
タイトルが19文字。
以前はタイトルを簡潔にして、副題に解説文という本が多かった。
でも最近は、タイトルの文字数が増え、説明調の書籍が増えている。
それはいつ頃からで、その背景には何があるのだろう?
そんなことが気になって、調べはじめてしまい、
現時点での私の仮説をまとめておくと、
- タイトルの長文化はライトノベル発?
- タイパ重視の若者に関心を持ってもらうため?
というようなところかなと。
10~20代をメインターゲットにしたライトノベル。
2004年に開設された小説投稿サイト「小説家になろう」等、
ネット上に投稿される作品から、ベストセラーが生まれるようになった。
出版業界の中でも稀な成長分野とされている。
(トップの「転生したらスライムだった件」はシリーズ4,500万部突破)
数多く投稿される小説の中から見つけてもらうため、
タイパ重視の若者の傾向に合わせ、内容が分かるようなタイトルを、
というような流れで、長文・解説調になっていったのではないか。
そしてそのはじまりが2008年8月出版の
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
とされているようだ。
出版当時は「タイトルが長すぎて流行らないのでは?」と疑問視されたが、
これがヒット作となったのがきっかけらしい(シリーズ累計500万部)。
その後ビジネス書にも広がり、
- もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(2009年12月出版)
- 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話(2013年12月出版)
といった書籍がベストセラーになっていく。
そしてもう一つの傾向として、
長文タイトルの書籍がヒットすると略称で呼ばれるようになる。
「俺妹(おれいも)」「もしドラ」「ビリギャル」
短かったものが極端に長くなり、普及すると極端に短くなる。
日本文化史に今までこの型はなかったように思う。
興味深い現象なので、これからもタイトルの文字数を観察したい。
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