ヤンマーHDとセレッソ大阪の決算書を眺める

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近江旅で「ヤンマーサンセットマリーナ」に泊まった。
もともとは琵琶湖でボート遊びをする会員のための施設で、
昨年、一般向けのホテルとして解放することにしたらしい。
その名の通り、部屋からキレイな夕日を眺めることができた。

このホテル名の頭についている「ヤンマー」は、
ヤン坊マー坊天気予報」や「セレッソ大阪」のあの会社だ。

ヤン坊マー坊の歌に「ヤンマーディーゼル」と入っていた記憶があり、
ディーゼルエンジンって自動車産業では環境負荷から廃れた印象だから、
ヤンマーの経営状態を調べてみたいな、と思ったのだけど…

非上場企業の経営状態は分かりにくい

ヤンマーホールディングス株式会社は非上場企業で調べにくい。
いちおう決算短信は読めるようになっているけど、
「今後の見通し」の記述が3年間ほぼ同じだし、それ以前は記載もない。
普段見てる上場企業って本当に情報盛り沢山なんだな。

ヤンマーについて少し調べて分かったことと言えば、

  • 創業者の山岡孫吉が長浜市出身で近江にゆかりがある。
  • 傘下のヤンマーコーポレーション株式会社が、ヤンマーサンセットマリーナの運営会社で、セレッソ大阪の株主でもある。
  • 2024年3月期決算は円安の追い風を受け、売上、純利益ともに過去最高。
  • ヤマハ発動機に事業領域が近いイメージだが、主力事業がヤマハが二輪車なのに対して、ヤンマーは農業・建設機械。海外売上比率はヤマハ94%、ヤンマーは61%。
  • ディーゼルエンジンは環境規制はあるものの、建設・農業機械、船舶、発電などで依然として重要な動力源として利用されている。

他社と差別化できる事業や技術を持っているようには見えない。
ただ事業内容的に国内売上4割というのは大きい気がするので、
まだ海外で事業を伸ばす可能性があるのだろうか。

あと調べていると、妙にお金に余裕のある企業の印象を受けた。
東京駅八重洲口を出て目の前というとんでもない立地に、
建て替えたばかりのヤンマーのビルがあったりするし、
セレッソ大阪の支援にはお金かかりそうだし…。

セレッソ大阪の決算推移を眺める

ついでなので、セレッソ大阪の決算書も眺めてみる。
気になった部分を色付けした。

昨年、第三者割当増資により債務超過を解消したようだが、
どこにも情報が開示されていないので引受先は不明。
なので現状の株主構成等はまったく分からないが、
社外取締役の3名のうち2名、監査役がヤンマー関係者なので、
おそらくヤンマーがセレッソの筆頭株主なのだろう。

Jリーグクラブの株式の売買や増資が行われる時、
細かい金額について開示されないことが多いのは良くないと思う。
サッカークラブの企業価値の算出方法について議論が進まず、
不当に安い価格で海外企業に買収される可能性がある。

セレッソについてもうひとつ気になったのは、
2019年度から発表されるようになった、
「関連する法人の営業収益」という項目の金額。
毎期10億円超が計上されているのは、Jリーグでセレッソだけ。
関連法人とは、アカデミー活動やサッカースクールを運営する、
セレッソ大阪スポーツクラブのことだと思う。

この項目について開示が始まったときの説明会での記録が、
Jリーグのウェブサイトに掲載されているが、なんかよくわからん。
2018年度 クラブ経営情報開示 メディア説明会 発言録

中途半端な開示って本当にモヤモヤする。
結局、セレッソについて理解できたことと言えば、
ガンバに比べて少ない予算で、より良い成績を残しているチーム。
そんなイメージだけだった。。。

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