おそらく私たちは、右肩上がりや持続可能性にこだわるあまり、
ものごとの美しい終わらせ方を、どこかに忘れてしまったのだ。
ビジネスの終わらせ方。
企業価値評価(DCF法)では、「永久成長率」って奇妙なものが現れる。
ビジネスの世界は、アメリカ発の右肩上がり病に犯されている。
でも、商品の寿命は年々短期化し、それに伴い企業の寿命も…。
商品や名経営者、さらには企業そのものの終わらせ方も重要だよ。
年金制度の終わらせ方。
破綻を防ぐために少子化対策? お金のための子供ではないでしょ。
今、一番大事なのは、年金制度をどう終わらせるかなのに…。
資産運用の終わらせ方。
右肩上がりの幻想で、積み立て投資や長期投資を信じ込むのは微妙。
でも本当にむずかしいのは、お金の稼ぎ方より使い方。
人生の終わらせ方。
これが一番分からない。「美しい」というより「幸せな」終わらせ方。
一番身近なことすら分からないから、大きな話は何も分からない???
こんなことも知りたくて、私は日本の歴史・文化を追いかけてる。
大政奉還や江戸城の無血開城…、江戸時代の終わらせ方はなかなか美しい。
そして、桜の花の散り際に「あはれ」を、武士の散り際に「あっぱれ」を。
滅ぶことへの覚悟をめでた「滅びの美学」が日本の心に出入りする。
まぁなんであれ、いろいろときれいに終わらせたいものですな。
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