DCF法はすでに死んでいる

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昨日、師匠から「DCF法の株価算定がうまくいかない」との連絡を受け、
久しぶりにDCF法の計算で遊んだ。(私はDCF法が基本的にキライ)
そして、予測期間以後の計算をいじっていて、DCF法へのさらなる疑念。

DCF法では予測期間以後の事業価値をその前年のFCFを割引率で割って算出。
(割引率から永久成長率なるさらに微妙なものを引いたりもする)
これは、企業が永遠に成長し、価値を創造し続けることを前提にした計算式。

致命的な間違えが2つ。1.企業の寿命、2.世界の捉え方

1.企業の平均寿命は数十年に過ぎず、商品の寿命は短期化している

フォーチュン500社を対象にした研究で平均40~50年という結果があるらしい。
また商品の寿命は年々短期化していて、ヒット商品を生み出しても、
あっという間に、競争優位に立てる期間は終わってしまう。
つまり、企業もに人間と同様、”永遠”という概念は存在しないのだ。
※資料…「上場しない「長寿企業」が元気な理由」(プレジデント)

2.世界は不確実性・ランダム性に満ちている

人は今日真実であることは、明日も真実であることを望むが、そうはいかないもの。
私たちの脳は規則性を望むが、歴史も人生もランダムな出来事の集合体だ。
それを忘れてしまうと、例外的な事態に遭遇した時、思考が停止してしまう。

この辺の話はDCF法だけでなく、投資期間や投資手法にも絡んでくる。

  • 企業の経営者が悩むよう、投資家も短期と長期のバランスに気を配る必要性
  • インデックスの銘柄入れ替えが、世の中の速い変化についていけない可能性

などいろいろ考え始めるとキリがない。

コメント

  1. 企業はゴーイング・コンサーンが前提ですけれど、確かに一企業が永遠に成長し続けることも、現実的に永遠に存続し続けることもない訳ですね・・・。
    上場しない会社が長寿、というと日本以外にもイタリアなどの西欧にも何百年の歴史がある中小企業は多い様ですね。
    非上場を選ぶメリットという点に関しては、最近読んだ本では「SMALL GIANTS」が興味深かったです。
    http://www.amazon.co.jp/Small-Giants-%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%84-%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%AE%E4%BE%A1%E5%80%A4%E3%82%92%E8%A6%8B%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%9F14%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD-%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%A0/dp/4903825035/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1242570323&sr=8-1

  2. まろ@管理人 より:

    ありがとうございます。ご紹介の本、面白そうなので読んでみます。
    そういえば、意識しないでこの次に書いた"世襲"って中小企業の存続と密接に関わっていたりするんですよね。