ブラックマンデーの翌年に出版された「カジノ資本主義」って本と出会った。
今から22年前に、すでにこんな呼び名があったなんて…。苦笑いもの。
今回の金融危機も、社会を担う世代が変わるとともに、忘れられるんだろう。
この本の著者スーザン・ストレンジが、当時問題視していたのは、
「変動相場制→通貨が投機の対象→貨幣価値の不確実性→貨幣経済の不安定化」
という流れのようだ。
その後の1992年ポンド危機、97年アジア通貨危機を予見するような話でもあり、
「不確実性に対処するために発展してきた先物市場などの工夫は、価格変動を抑えることによってシステムを安定させるどころか、実際にはそれを増幅し、永続化させてしまっている。」(P197)
って今の問題にもつながる話。
たしかに貨幣への信頼が、物々交換以後の経済を成り立たせているのに、
為替相場で貨幣価値は日々変動し、将来どうなるのかはさっぱり分からない。
信頼を得るには安定性が不可欠のはずなのに、一体どこへやら。
貨幣自体の価値がゆらぐから、それにつられて私たちの心もゆらぐ。
固定相場のころの経営者や投資家の方が、のんびり構えられて幸せだったかも。
20代の頃から株式投資をはじめて30歳近くになると、
1ヵ月間の資産の変動幅が月収の倍近く、なんてことも普通に起きてしまうよね。
慣れてしまえば、また私みたいに鈍感なら大丈夫だけど、捉え方は人それぞれ。
増えても減っても、なんか落ち着かなかったら、いっそのことやめてしまっては?
資産運用なんて考えず、地道に目の前の仕事に打ち込む方が、よっぽど幸せ。
だって人の幸せには、心静かに生きられるかどうかが、不可欠な要素だもん。
だから、すでに為替相場などでお金の価値自体がゆらぐ中で、
さらに株式等をプラスして、もっと大きくゆらしちゃうのって…、うーん。
人によっては不幸のはじまりかもしれない。あまり気軽に勧めちゃいけないのかな。
コメント