不完全なもの、欠けた部分に美しさを見出すのが、日本的な感性。
吉田兼好「徒然草」
「すべて、何も皆、事のととのほりたるは悪しきことなり。し残したるを、さてうち置きたるは、おもしろく、生き延ぶるわざなり。」(82段)
「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。・・・よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ。」(137段)
岡倉天心「茶の本」
“It is essentially a workship of the Imperfect, as it is a tender attempt to accomplish something possible in this impossible thing we know as life.”
具体的な作品としては、あえて水をなくした、龍安寺の石庭(枯山水)や
余白を残して背景の景色を一切描かない、長谷川等伯の「松林図屏風」。
「何もないからこそ、想像力で大きな世界を見ることが可能になる。あるいは、何もないからこそ、そこに最上の美を発見することができる。」
---松岡正剛「17歳のための世界と日本の見方」P323
不足や余白の部分にこそ、ものの本質や美しさがある。
文化だけの話じゃなくて、人にも言えることかも?、と最近思う。
弱さがあるから、愛おしく思えたり、守ってあげたくなる。
お互いが欠点に気が付いて、補い合えそう、と感じて距離が近づいた時、
とってもいい関係が築いていけると思うんだ。
だから自分の欠点を直そうなんて強がらず、素直になろう。
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