日本でも社会的投資(社会に良いことをもらたす投資)
への関心が高まるなか、こんな本が翻訳されたそうな。
※翻訳関係者よりご提供いただきました
- マーク・J・エプスタイン、クリスティ・ユーザス「社会的インパクトとは何か」
目を引いたのが第2章「投資家を理解する」で、
投資家が求めるリターンにはだいたい下記の4つがあり、
- 金銭的リターン
- 社会的インパクト
- アイデンティティのリターン
- プロセスのリターン
投資家それぞれにこれらの動機の優先順位が違うという話。
金銭的リターン第一主義から離れると、脳内がどっちらかってしまうので、
考え方の整理にちょうどよかった。
意味の分かりにくい言葉の解説をメモしておくと、
アイデンティティのリターンとは、
- 助け合い…自分を幸せにしてくれたコミュニティへの恩返し、または自分に便益をもたらしてくれた特定の組織への恩返しをしたいという恩義的感覚。
- 満足感…投資をおこなうことで得られる心理的便益。
- 評判…特定の社会的投資のために高まるコミュニティ内での評価またはブランド価値。
プロセスのリターンとは、
- 知識…組織や協働によって得られる情報や学び。
- 経験…投資の結果得られる技術や理解。
- 人脈…投資先との連携によって生まれるか強化される、個人的またはビジネス上の関係。
自分のこれまで十数年の投資を振り返ると、
ひたすら金銭的なリターンを追い求めた時期が10年近いけど、
得られた一番大きなリターンは結局「プロセスのリターン」かも。
投資のために財務諸表を学んだことで税務会計の仕事を手にしたり、
最近明かしたとおり、結婚にも投資が深く関わっている。
お金儲けのためだけの投資はむなしい、という私の考えの背景には、
突出した「プロセスのリターン」があると言えるだろう。
また投資をしているうちに日本の歴史・文化を学びたくなったのは、
無意識のうちに「アイデンティティのリターン」を探してるのかな?
最後に「社会的インパクト」はもう少し力を入れたい。
ミュージックセキュリティーズで投資しているのは4ファンドだけ。
クラウドファンディングは「アカデミスト」に興味を寄せるが、
これを支援したい!という研究にまだ出会っていない。
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